第7話 エーちゃん覚醒

高校生の頃、僕らは、音楽の趣味は違えどいろいろな音楽を聞き漁っていた。

僕は、FishboneやRed Hot Chili Peppersそして、パンク。邦楽は「日本語でロックができるか?」と思っていたが、中二の時に「子供ばんど」のライブを見て衝撃を受けた。今でも日本のグルーヴを教えてくれたのは、「子供ばんど」だと思っている。

一方、エーちゃんは、洋楽のポップミュージックやテクノを聴いていた。

その頃は、吸収力がスゴかったので、なんでも聴いた。

INXSあたりで、合致した。

一緒に名古屋までライブを見に行ったこともある。

チケットも無かったが、エーちゃんが「ダフ屋から買えばいいよ」

「泊まるところも適当にサウナでも泊まればいいんじゃない?」

もう、無計画。行き当たりばったり。


高校卒業後、僕は、四年制大学。エーちゃんは、店を出す時に有利だからと宅健の専門学校に通う。

社長になる目標が現実に近づいている。


エーちゃんは、3ヶ月アメリカを放浪し、行った時は、黒髪のドレッドだったが、帰ってきたら金髪のドレッドになっていた。


僕らが、20歳になった頃、エーちゃんが、突然、「オレ、DJになるよ」と言い出す。DJ見習いで20歳は遅い方だが「それでもやりたい」と

ソウル系のクラブでウェイターをしながら、勉強していた。


4年くらいするとその界隈では、トップクラスに登り詰めていた。

しかし、エーちゃんの向上心は止まらない。

「お山の大将は嫌だ。オレ、東京へ行ってくるよ。」

そのあと、しばらく消息不明となる。

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