ヤギの行方を僕たちは知らない

第7話

静かに風が流れる。

夜になると星が光りはじめる。

かなたから、何か不可思議な光が届いている。

七日目の夜には、特別強烈な光を放つ星があったりする。

その星の一つ一つを僕は知らない。オリオン座には七つの恒星があり、そのどれもが美しいが。

「カグヨマ！あなたはどうするつもりですか

？」

しかしカグヨマは知らないと答えた。

時の流れはふへんであると、あるものはありないものはない。

カグヨマは知らない。

君たちが食したヤギの肉の行方を、僕は知らない。

胃と腸と宇宙の先にはなにがあるのか。