第2話

太平洋戦争が終えたころ、空にはたくさんの雲があった、また雲はすべて粒子の集合体であったので、あの頃は空にたくさんの魂があった。


青空というものはまこと珍妙なもので、美しく青の儚さや澄んだ空気の呼吸のできる大地というものを表現していた。

奏でる音楽の如くメロディは、必ずしも人の胸に届くわけではなくとも、あの空や音はきっと、誰の心にも響くものかと思われた。


むかし、アポロンの奏でる琴が評判になったことがある。


アポロンの琴もまた空まで通じていると、世間では評判になった。

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