心理学の本を読み漁ってたはなし
そもそもなぜわたしが心理学に興味を持ったか。
それは、高校2年生だか3年生だかの、進路指導のときでございました。
わたしの担任は現代文の先生だったので、
「進路どうする?」
って聞かれたときに、わたしは素直に
「将来は作家になりたいにゃ」
と伝えました。
すると担任の先生はわたしにこう返したのです。
「馬鹿かおまえ」
もうちょっとオブラートに包んでくれても良かったと思う。
でもそこはやっぱり進路指導。
懇切丁寧に教えてくれました。
おまえくらいの書き手なら世の中掃いて捨てるほどいるんだよ。その中で自分が生き残ってメシに繋がるほどの強みがあんのかおまえは。ついでに多分だけど主人公自分と同年代くらいしか書けないだろそんなんでなんとかなるほど甘い世界じゃねえんだ馬鹿たれ。知識も経験も足りないんだから書けないのは当たり前だけどそもそも授業中ずっとなんか書いてばっかで授業なーんも聞いてないやつが大学行けるわけねえだろ気づいてないとでも思ってんのか何人の先生から苦情きてると思ってんだおまえは!!
ま、後半は謝ったよね。
結果的には大学行かせてくれてありがとう先生。
そんでね、そんとき言われたことはわりと図星だったのです。
主人公は自分と同年代。
別の年代の人物が書けないのはわたしに知識と経験がないから。
なるほどなるほど。
そこでわたしは考えました。
経験はちょっとどうにもならんけど、知識だったら案外なんとかなるんじゃね?
そこで思いついたのが心理学。
人間のこころのメカニズムとか理解すれば、多少幅広い人物像が書けるようにはなるんじゃねえの。
そうしてわたしの図書館通いは悪化したのです。
高校の図書室はたかが知れていたので、地元のわりと大きな図書館に毎週末通いつめまして、心理学って書いてある棚の、なんちゃら心理学とか、心理学のなんたらとか、とにかく背表紙に心理学ってついてるものを、棚の左端から順番にぜーんぶ読んでいくことにしました。
内容を全部理解する必要はないと思っていました。
とにかく数をこなして、ひたすら脳みそを心理学なるもので埋めていけば、必要な部分は自分のなかに蓄積されるだろうという算段でした。
でも読んだら面白いの!
中でも犯罪心理学とか楽しく読んでいた覚えがあります。
臨床心理学とか、社会心理学とか、教育心理学とか、初心者のための心理学とか、とにかく訳も分からないままにひたすら心理学って書いてあるものを読んでいました。
正直言って内容はほぼ覚えてないです。
創作の役に立ってるかどうかも分かりません。
でもひとつ言えるのは、自分の脳みそをちょっとだけ、上手に使えるようになったかな。
うん、思ってたんと違う。
そんな担任とは、何年も経ってわたしが働いてたスナックで偶然再会しまして。
学校の先生って凄いよね、ぜーんぶ覚えてんの。
出席番号順に全員覚えておられました。
恐るべし。
ま、問題児が多かったしね。
ここだけのはなしだけど、交番の隣で花見に酒盛りして2週間停学したやつらとかいたからね。
あーそうそう、次はスナックにいたときのはなしにしようか。
あれも人生の勉強になったわー。
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