【郷倉四季】あとがきのようなもの。

 はじめまして、もしくは、こんにちは。

 郷倉四季です。


「情熱乃風R」が完結致しましたので、あとがきのようなものを著者ではない郷倉四季が書かせていただきます。

 よろしくお願いいたします。

 

 今回、このあとがきのようなものを書くにあたって、著者である倉木さとしに許可を取りました。

 快く了承の回答の後に、彼が「情熱乃風」を書いた当時の写真が送られてきました。


 AV女優を紹介するコラムの隅っこに目を黒線で隠された若き日の倉木さとし。

 どこかしこかのブースのテーブルについてノートパソコンのキーボードに手を乗せ、こちらを見て笑っている……


 っつーか、この写真って学校の面談用のブースで撮られたものじゃねーか。

 え? 大丈夫? パソコン思いっきり学校のって分かるシールとか貼ってあるけど。

 もしかしてだけど、この写真は学校のホームページに使われたものなんじゃ……、


 いや、うん、そんな訳ありませんよね。

 なんか見覚えある気がするけど、気のせいですね。

 最近、仕事で疲れているんですよね、僕。

 

 変な始まり方をして申し訳ありません。

 このままあとがきを続けたと思いますが、一つ伝えておきたいことがあります。


 次のページには「情熱乃風R」の解説(の真似事のようなもの)を書かせていただきました。

 思いの他、真面目な内容となってしまった為にバランスを取る為、こちらは倉木さとしについて好き勝手に書きたいと思います。

 ゆるいノリですが、お付き合い頂ければ幸いです。


 さきほどの写真に戻るのですが、コラムの一番下に二十七歳とありました。

 情熱乃風を書いた頃の倉木さとしは二十七歳なのか、と感慨深い思いになりました。

 僕は倉木さとしの六つ下だったと記憶しているので、情熱乃風を読ませてもらったのは二十一歳となります。

 当時は、かがみん(確か当時二十四歳)という友人と同じマンションに住んでいました。僕が三階で彼が四階。


 倉木さんから作品が送られてきた日も二人で宅のみをしていたのか記憶は定かではありませんが、感想を二人で言い合った記憶はあります。

 僕とかがみんは倉木さとしという人間を知っている為に「やくざの息子を車ではねた」「彼女の為に就職活動中」というのは彼の人生で実際に起きていたことを知っていました。

 ということを前提に僕とかがみんは感想を言い合いました。


「MR2って倉木さんが乗ってた車だっけ?」

「そのはず。写真を見せてもらった気が」

「というか、中谷優子ってヒロインじゃないの?」

「一度も出てこなかったよな?」

「ってか、彼女レイプされてるけど……」

「いや、それ以前に主人公死んじゃったけど、それでいいの?」

 

 倉木さとしいわく、情熱乃風は五章構成の一章目なのだと当時、語っていました(その後、実際に四章分は書かれました)。

 

「現時点では評価は保留かな」


 というのが、かがみんの発言だったと記憶しています。

 僕も最初に読んだ時は、それほど重要な作品と受け止めていませんでした。

 けれど、二章が書かれた後に一年以上まったく音沙汰がなくなり、

 え? 三章目はどうなんの? という疑問がわき上がって、

 僕は「情熱乃風」とその続編である二章目を読み込んで、勝手にプロットを作りました。


 それがカクヨムで言う「南風に背中を押されて触れる」の骨格となるプロットでした。

 プロットは倉木さとしに送るだけで満足していたのですが、ひょんなことから作品にしようと思い書きはじめました。


 他人の作品を使って自分の小説を書くという捻じれた構造の為、僕はおそらく著者である倉木さとしよりも「情熱乃風」を読み込んでいます。

 繰り返し読むほど、そして、他の倉木さとし作品に触れていくと、最も重要だったのは「情熱乃風」だと思うようになりました。


 川島疾風が普通の人として描かれる。

 最初で最後の物語。

 それが「情熱乃風」です。 


 なぜ、情熱乃風の川島疾風は普通の人間なのか。

 それについては次のページの解説を読んでいただければと思います。


 ここまで読んで下さった全ての方、本当にありがとうございました。

 よろしければ、この先も「郷倉四季」のアカウントで発表される小説群をよろしくお願い致します。

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