Ep.12 暗黒を纏う訳

 コーヒーショップを出た燈瑚と菅谷は、町を練り歩きながら、すれ違う少年一人ひとりに話しかけ、《サトル》というに名覚えはないか、と訊ねて回った。

 ただの少年たちではない。皆、一見してわかる。所謂、素行不良の少年たちである。


 彼らは菅谷が挨拶するより早く、「あ、菅谷さん、千束さん、こんにちは!」と元気よく頭を下げてきた。

 彼らは最初に、犬猿の仲である二人が並んで歩いていることを怪訝に思っていたが、「一時休戦中だ」という菅谷の言葉に皆納得してくれている。


 余計な発言をして場がこじれるのを恐れた燈瑚は、声でも失くしたかと思われても仕方ない程のだんまりを決め込みつつ、兄になりきって動作に気を配ることは忘れなかった。


 千束香、菅谷一郎という男は、この辺ではだいぶ幅を利かせているらしい。会う少年、会う少年がもれなく二人に敬意を表した対応をするのだ。

 その余りにも純粋な尊敬の眼差しに、兄貴も人望があるんだな、と感心してしまう。


 少年らは、

「《サトル》って名前の――女じゃ珍しいと思うが――男を知ってるか? 耳にしたことは?」

 という菅谷の問いに対し、不自然さなど少しも感じさせずに、皆NOと答えた。

 NO、NO、NO、NO、NO、NO、NO……その一言を聞くたびに、燈瑚と菅谷の表情から少しずつ希望が欠落していった。

 それが二時間ほども続くと、二人は些か疲労の色を滲ませながら、とぼとぼと当てもなく町をさまよい歩いた。


 菅谷は両手をポケットにつっこんで、

「なかなか辿りつかんもんだな」とぼやいた。

 まるで、幽霊でも探しているような気分になってきた。この世に実体のない人物を探す作業もなかなか骨が折れると思うが、《サトル》という男もそれに引けを取らない。

 いきなり現れて暴行し、たった一つのヒントだけ落として瞬く間に姿をくらませる。……そこまで考えると、本気で相手は幽霊なのではないかと思えてくるのだから、二人の疲労は来るところまで来ていると言わざるを得ない。


 少年たちが知らないということは、第三のチームは千束一派と菅谷一派にのみ接触してきたということだ。

 新らしくできたチームならば、手当たり次第に喧嘩を売ってその名を知らしめたいとは思わないのだろうか。

 それとも、この辺りで幅を利かせているツートップに真っ先に勝負を仕掛けて、手っ取り早くになろうとしたとか……。考えても考えても、正解など出てくるはずもなく、二人は途方に暮れた。


「《サトル》、よくある名前だと思うんですけどね」

「うーん……」

 菅谷は言葉少なになるなり、いきなり歩を止めた。

「どうかしました?」

 つられて立ち止まった燈瑚が訊ねると、彼は傍の店を指差す。

「ここ、寄ってくか?」

 菅谷の指先が示したのは、閑散とした書店だった。

 燈瑚は無言で彼の方を見た。


「元々は本屋行くために出てきたんだろ? 寄ってこうぜ」

「いいんですか?」

「ああ」


 燈瑚は彼の言葉に甘えて、並んで自動ドアを潜った。

 新しい紙とインクの匂いに包まれるなり、たちまち幸福感に包まれる。

 子どもの頃は、家が本屋さんだったら、毎日のようにこの匂いと一緒にいられるのにな、などと訳の分からないことを考えていたが、今でもそう思うことはないこともない。


「いらっしゃい」

 カウンターに座った頑固そうな老人店主が気だるげに言った。他に店員らしい店員の姿はない。客の姿もまばらで、店内を見て回るには随分快適そうである。


 中はさほど広いわけでもなかったが、話題の本や新刊が取り揃えられているだけでも十分、買い物はできる。

 燈瑚はうきうきと本の背表紙に視線を走らせた。


「何買うの?」

「見てから決めます」


 言いながら、燈瑚は躊躇いなく小説コーナーへと向かった。

 文庫本、新書、ハードカバーと、出版社別でそろえられた棚同士の間に入って、ズラリと並ぶタイトルを一番端から見てゆく。


「菅谷さんは読書はしますか?」


 書棚に目を向けながら何気なく訊ねた質問に、

「……昔は、少し読んでた」と、菅谷は言い辛そうに答えた。


 彼の意外な趣味に興味を持った燈瑚は、振り返って質問を続ける。

「へえ、どんなものを?」

「探偵小説とかミステリーかな」

「いい趣味してますね!」

「最近は読めてないけどな」


 菅谷は少し声を低くして、突き放すように言った。

 急に彼のテンションが落ち込んだことを訝しんだ燈瑚は、ちら、と彼の方を見る。


「どうしてですか……?」

 控えめに訊ねると、菅谷は無表情で長い長い話の冒頭を語った。

「俺には三つ年上の姉貴がいたんだが、今から三年前に死んだ」


 衝撃的な言葉に、燈瑚は返事一つできなかった。


「姉貴がよく本を読む人だったから、俺も小学校高学年くらいになると、自然と本を手に取るようになった。それまでは二人同じ部屋だったし、本棚も共有だったからな。姉貴は当時の俺と同じくらいの時期に、いじめが原因で不登校になったんだけど、その時父さんが、学校へ行きたくなかったらいくらでも休んでいい。けど、その間はいろんな本を読みなさい、って姉貴に一冊の小説を渡した。その本が相当面白かったらしく、以降姉貴は毎日毎日、机に座っていろんな本を読んでた。俺は普通に学校に行ってたけど、帰宅して自分の部屋に向かうと、中はいつも、姉貴が読書をしながら飲んでいるココアの甘い匂いに包まれてた。不登校になって半年後、姉貴は家から少し遠い小学校に転校して、そこではいい友達に恵まれて楽しく過ごしてた。それからも読書は続けて、中学生になるころには、一か月で二十冊くらい読んでたから、あっという間に本棚が埋まっていった。俺も、姉貴が選んで買った本を一緒になって読んだ。コナン・ドイル、ポオ、アガサ・クリスティ、江戸川乱歩は中学生になってからだったな。少年探偵団シリーズあるだろ? 俺ら、あれが一番好きだった。――そのあと、姉貴は大学に進学して、出版社で編集の仕事に就くための勉強に精を出していた。そのときには、俺らの部屋は別々になってたけど、姉貴が試験勉強でひいひい言ってる傍で、俺はずっと暢気に姉貴の本棚を物色してた。……あるとき、姉貴が勉強する手を止めて、俺にこんな話をしたよ」


 菅谷は一度言葉を切ると、より表情を暗くして、続けた。


「相談したいことがあるって……。やけに深刻そうな顔してさ。今にも泣きだしちゃうんじゃないかって、心配になった。何があったのか、詳しく話を聞いてみると、その時姉貴は、同じ大学の男にしつこく付き纏われてたらしいんだ。そいつに交際を申し込まれたんだが、姉貴はそいつに全く気がなかった――それどころか、下品で常識のないその人となりに嫌悪さえしていた。もちろん姉貴は丁重に断った。けれどそいつは一向に諦めず、しまいには嫌がらせまでしてきて、止めてほしければ俺と付き合えだなんて、脅迫までしてきやがった」


「嫌がらせ……って?」


「姉貴の女友達に最低な嘘を吹聴したり、持ち物を盗んでは姉貴の目の前でそれを舐めたり、講義室で無理やり隣に座っては、セクハラまがいの言葉を浴びせかけたり……」


 燈瑚は、彼の姉の受けた気味の悪い嫌がらせを想像して、背筋を冷やした。


「後から知ったんだが、奴は地元の不良チームの幹部だった。大学進学後もその地位に胡坐をかいて、靡かない姉貴を何としてでも振り向かせようと、不良仲間に協力させたんだ。大勢の男に後をつけられ、寄ってたかって「こいつと付き合え」と脅され、嫌がらせを受け、一時期は精神を病みかけた。それでも姉貴は、頑として頷くことはなかった。存外、頑固者だったのさ。一度は警察にも相談して、然るべき対応をしてもらった。接触禁止令が出て、奴は学校を退学になったよ。一家そろって安心しきってた。それから二か月くらい経ったかな……姉貴が二十一歳の頃、そいつは補講で帰りが遅くなった姉貴を尾行して、家の最寄り駅までついてきた。……その日は秋も深まってきた肌寒い日で、夕方から雨が降っていた。土砂降りとまではいわないが、傘を差さずに帰れるほど弱い雨でもなかった。駅から家までは歩いて十五分くらいだったから、濡れ鼠で帰宅すれば風邪をひいてしまうかもしれないだろ? 本来その日は午前中に講義が終わる日だったんだが、補講があったのを忘れていた姉貴は、傘を持たずに家を出た。先に帰宅した俺は、玄関に姉貴の傘があるのを見つけて、事前に迎えに行く旨を連絡してからそれを持って駅に迎えに行ったんだ。そろそろ来るかなと思ったちょうどその時……姉貴が改札口から出てきた。俺の家の最寄り駅は小さくてひとけもあまり多くない。辺りは真っ暗で、急行電車も止まらない寂れた駅は、七時前だというのに驚くほど静かだった……いや、雨の音だけがやけにうるさくて、それ以外の音が聞こえなかったんだ」


 周りの景色が、小さな書店から大雨の降る寂れた駅に変わる。

 雨が地面を打つ音が二人の鼓膜を貫く。

 初夏の陽気も忘れて、辺りは濡れた秋の夜に様変わりし、肌寒さが燈瑚の腕を粟立たせた。


「俺の姿に気づいた姉貴が笑顔で手を振ってきた。――ああ……俺は、この時の姉貴の笑った顔をよく夢で見る。今でもな。姉貴は……その直後に死ぬんだ」


 女性の長い悲鳴が、尾を引いて雨の降る夜に響き渡った。


「姉貴は両手を合わせて《ごめん》とジェスチャーしながら駆け寄ってくる。俺は《仕方ないな》という意味を込めて苦笑した。……その時、改札を出た姉貴の背後から、あの男がものすごい勢いで駆けてきた。振り返った姉貴に向かって、そいつは耳をふさぎたくなるような暴言を喚き散らして……、華奢な肩に掴みかかると、そのまま駅の出口の階段まで引きずって行って――」


 視界が反転した。菅谷姉が最期に見た世界のように、天と地がひっくり返った……。


「姉貴は階段から投げ飛ばされて、頭を打って死んだ」


 ごつん。

 たった一度だけ、重たい音が響いた――否、実際にではない。菅谷の記憶の中で、だ。その音は、階段から投げ飛ばされた姉が、地面に頭から落下した音だった。


 血が流れる。

 雨に濡れた黒いコンクリートを、鮮やかな赤が染めてゆく。

 雨はすぐにそれを洗い流して、仰向けになった彼女の頭から下ってゆく坂道へ向かってそろそろと腕を伸ばしていった……。


「あの屑男は、俺を姉貴の彼氏だと勘違いしやがった。尾行したところを、俺に向かって手を振った姉貴を見て、早とちりしやがったんだ……! あいつは、地面に転がって動かなくなった姉貴を見下ろして、聞くに堪えないきたねえ言葉で姉貴を罵倒した。……気づいたら俺は、駅員に羽交い絞めにされていた。足元には、俺が殴ったのだろう屑男が、顔から血を流して倒れてた……。すぐに救急車とパトカーが来て、事の一部始終を見ていた駅員が訳を説明して、俺は姉貴と一緒に病院へ向かった。……医者は手を尽くしてくれたが、ダメだった。搬送されてすぐに、姉貴は息を引き取った」


「その男はどうなったんですか?」


「捕まったよ。今もまだ塀の向こう側さ。……俺は未成年だったし、不起訴になって罪に問われることはなかった」


「そう、だったんですか……」


 燈瑚は他に言葉も見つからなかった。書店の真ん中でするには、些か込み入った内容だったなと、話題を持ちかけた自分を責める。


 けれど、今の話を聞いて、彼が纏う暗黒の理由がわかったような気がする。

 きっと、彼は姉を殺した男を、彼に協力した仲間の不良を憎んでいる。青木たちが言っていた、「舎弟に対しても冷酷な態度をとる」というのは、そういった過去からきているのではないかと、燈瑚は考えた。


「ごめんな、いきなりこんな話して。お前が本好きだって知ったら、なんか姉貴を思い出してさ。雰囲気とか、どことなくお前と姉貴似てるんだよ。大人しそうに見えて頑固なところとかさ」

 菅谷はパッと笑顔を浮かべて、言った。


 苦しかっただろうに。すぐ近くにいながら、愛する姉を助けられなかったことを、この優しい少年は悔やんだことだろう。

 姉を苦しめ、あの世の住人にした男を、心の底から恨んだことだろう。

 彼の目を見ていると、愛する姉を失ったときの苦しみが伝わってくるようで、燈瑚は自分のことのように悲しみが押し寄せてきた。


「姉貴がいなくなってから、俺は学校をさぼるようになった。結果、留年して今高校四年生だよ。不良あいつらは、仲間のためなら他人を不幸にしてもいいと思ってやがるんだ。俺は、そういう人間を許すことができない。だから、俺は不良たちの一番になって、正しい人間へと更生させているんだ」


 燈瑚はまたしても返す言葉なく、黙り込んだまま菅谷を見つめていた。……けれど、目が合った彼が急に「ハハハハハハ」と笑い出すものだから、束の間、燈瑚の口から「え?」という声が漏れた。


「そんな顔させたくて話したわけじゃないんだけど……ま、仕方ないか。俺が悪かった」


 そんな顔って……燈瑚は今自分がどのような顔をしていたのか皆目見当もつかなかったが、彼の寂しげな微笑みを見ていると、きっと、今にも泣きそうな顔をしていたのだろうと思った。


「姉貴が死んでから、本読むのもやめちまったんだけど、久しぶりになんか探してみるよ。姉貴の読むスピードには適わなかったから、まだ読んでない本もたくさんあるんだ」


 そうやって、菅谷はまたしても優しく笑う。心の底から、穏やかに。

 その笑顔を見ていると、燈瑚は今すぐにでもここで叫びだしたい気分だった。ここにいる少年は、世界一悲しい過去を背負い、世界一姉を愛し、世界一悪を嫌い――世界一、心の優しい人間だ、ど。


 彼は冷血漢なんかじゃなかった。

 燈瑚は己の中の認知を改め、謝罪の言葉を口にした。

「ごめんなさい」

 菅谷はきょとん、として「何謝ってんだよ」と問う。


「私、あなたのことを誤解してたんです。青木さんたちがあなたのことをとんでもない冷血漢だとおっしゃったものだから、私はそれを信じて、あなたにひどい印象を抱いてしまった。ろくに知りもしないで……本当にごめんなさい」


 丁寧にも腰を折ってまで謝罪の意を示した燈瑚に、菅谷は、

「いいって、そんなもん。気にしてないよ。それに、冷血漢っての、大半は当たってんだろ。実際俺は舎弟たちにもあんまり優しくしてやれてないしな」


 菅谷はそっと目を細めて、心の内を吐露するように続ける。

舎弟あいつらをみてると、やっぱ、あの屑男のことを思い出す時がある。おれがこいつらとつるんでる理由に、あいつが関わってんだなーって思うと、あんまりいい気はしないから」


 けど、と菅谷は微笑に切なげな色を浮かべて、続ける。


「あいつら、どんなに冷たくしようとも、菅谷さん、菅谷さんって、俺を慕ってついてきやがるんだぜ。俺のことなんて、お構いなしにさ」


 菅谷は、何気なく伸ばした先にあったサリンジャーの《キャッチャー・イン・ザ・ライ》を手に取る。

「中学生の時、一度だけ読もうとしたことがあるけど、途中で挫折したんだ」

「あの、私……」

 燈瑚は、今一歩彼に近づいた。

 菅谷は本を手にしたまま、女の子にしては少し高めの位置にある燈瑚の頭を見下ろした。

「あんまり、本について楽しく話せる友人がいないんです。だから、その、よかったら、また今日みたいに、一緒に本屋さんへ来てくれますか?」


 デートのお誘いよろしく、ほんの少し、胸の中にときめきを閉じ込めて、燈瑚は目の前の少年に言う。

 こんな風に自分から相手を誘うことなど、今までにあっただろうか。しかも相手は男の子で、ガラの悪い不良かと思いきや、その実、過去に悲しい事件を体験し、大事な家族を奪われ、心の中に深い悲しみと憎しみを抱いた若者。


 燈瑚は、愛情深い菅谷一郎少年と、もっと仲良くなりたいと思った。

 その願いを、言葉ではなく心で受け取った菅谷は、頬に朱を差した笑顔で頷く。


「ああ。もちろんだ」


 二人の間の雰囲気が、暗い雨の夜から現実世界へと戻ってきたその時、

「あれ、千束さんじゃないか」

 今までのしんみりした雰囲気を追い払うように、第三者の声が飛び込んできた。

 名前を呼ばれた燈瑚と一緒に、菅谷も声のした通路側を振り返って目を向ける。

 そこには、北山が数冊の本を抱えて立っていた。


「北山君、どうしてここに?」

「買い物だよ。ここ、僕の家からすぐだからさ。よく来るんだ」

 北山はニコニコ笑いながら言った。

「……友達か?」

 菅谷が小声で訊ねる。

「ええ。同じ大学に通っている北山君です。北山君、この人は菅谷さん。兄の――えーと、知り合いで、たまたま会ったので、ここまでご一緒してもらったの」

「そうだったんだ。こんにちは」

 北山は礼儀正しくお辞儀し、菅谷も軽く礼だけする。

「……もしかして、デートかな?」

 北山は二人の顔を交互に見やった末に、そんな事を口走った。

 たちまち燈瑚の顔は真っ赤に染まり、挙動にぎくしゃくとしたぎこちなさが生じる。

「ち、違うわ! たまたま会ったって言ったでしょ」

 彼女が慌てて否定すると、

「はは、軽いジョーダンだよ。じゃ、千束さん、菅谷さん、さようなら」

 北山はそう言うって、レジへ向かった。


 燈瑚は、会計を済ませる北山の後姿を見つめながら、内心、溜息をついた。

 彼は、自分が別の男性と歩いているのを見ても何とも思わないらしい。そんなことを考えて、「当たり前か」と自己完結する。私たちはただの友人同士で、北山もそれ以上の認識をしていないのだろうから。――自分だけが、彼のことを好いているにすぎないのだから。


「あいつ、変わった奴だな。俺を見て、あんな軽口が叩けるなんて」

 菅谷が感心したように言った。大体の少年少女なら、見るからに不良然とした彼を前にして、くだらない冗談など吐けるとは思えない。

 北山は可愛い顔に似合わず、なかなか肝の据わった少年らしい。


 そのあと燈瑚は三十分ほど小説コーナーと少女マンガコーナーをうろつき、ミステリー小説、ホラー小説、愛読している少女マンガの最新刊を手にしてレジへ向かった。

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