第18話 どうして普通の子猫でいてくれないの!?
その夜、阿修羅と一緒に眠っていると、夢に子猫が現れた。
――― 風花。風花。
どうしたの? カデンちゃんと一緒じゃないの?
――― 風花に会いたかったの。
私?
どうして?
バルさんとカデンちゃんの家は嫌?
――― そうじゃないの。風花。風花の側にいないと力が出ないの。
どうして? お魚を食べてミルクも飲んだでしょう?
――― 猫のエサじゃなくて……。
猫でしょう?
――― 違うの。これは仮の姿なの…実は。
あー! あー! 聞こえなーい!
…… もぞ…むくり……。
風花が起き上がった。
「ふうか……?」
寄り添って眠る阿修羅も目が覚めたようだ。
「……。」
まだ寝起きで言葉の出ない風花。
「風花?」
阿修羅が心配そうに風花の顔を覗き込む。
「ねこ……」
「風花?」
「ふつうの猫じゃなかった…ゆめに出てきた…」
「化け猫か!?」
「わからない。その前に無理矢理おきたから…」
「風花、俺が風花の夢に入る許可をくれないか?」
「あしゅら?」
「そうしたら夢の中でも風花を守れる」
「ありがと、お願い…」
ぱたり。
阿修羅に任せて即、眠る風花。
すやあ。すうすう。
――― 風花! さっきは…
ドンッ!
阿修羅が子猫に体当たりした。
――― 何するのよ!
「うるせえ化け猫! 風花が怯えているんだ、風花の夢から出て行け!」
キリッと子猫を睨む阿修羅。
睨み合う子猫と豆柴……可愛いしかない。
――― 私、風花の側にいると力が湧いてくるの。元の姿に戻るために風花が必要なの!
「元の姿って?」
――― 西の山に暮らしていた大蛇のオロチよ!
「ああん? そんなに弱々しいのに嘘つくな。それにお前は蛇でもないだろ」
阿修羅が子猫を足蹴にしてグリグリする。
――― 本当だもん! 先月、人間に退治されて力を失って
「嘘くせえな」
――― 嘘じゃないもん! 小さな蛇の姿しか取れなくなって…仕方ないから、そのまま彷徨っていたらガキ大将みたいな子供に殺されそうになったから猫に
「つまり本当は大蛇だって言いたいのか?」
――― そうよ!
「じゃあ遠慮はいらないな」
――― な、何!?
「風花は化け猫よりも蛇が苦手なんだよ!」
ドカッ!
阿修羅が子猫を風花の夢から蹴り出した。
ただいま阿修羅が所有するポイントは−《マイナス》149,000ポイント
・風花の夢から魔物を退けた … +《プラス》1,000ポイント
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