エピローグ

「ねえ、今日の放課後に駅前のクレープ屋に行かない?」

「私は学校の近くに出来たパンケーキのお店に行きたいな。すっごくフワフワなんだって」

「美味しそう! パンケーキ屋に行こうよぉ!」

「麻希はよく知ってるわね。あのパンケーキ屋、結構な穴場として有名なのよ」


舞さんたち四人は、以前にも増して仲が良くなった。

本音をさらけ出した麻希さんを見た舞さんたち三人は、笑顔で麻希さんにこう言ったのだ。


『やっと麻希の本音を聞けて嬉しい!』と。


その時、金の扉がパキンと割れたのを僕と麻希さんは見た。

ああ、もう戻っていたんだなとこの時初めて気が付いた。

僕のアドバイスは彼女には不要だったらしい。


麻希は本音を出せるようになったおかげで感情が豊かになって、下手な愛想笑いを浮かべることもなくなった。


「それにしても、僕が告白できるのはいつなんだろう」


最初に扉から出て来た麻希さんを見たとき、咄嗟に馴れ馴れしくしたから不安だったのだ。

もしかして嫌われてたのではないかと。


でも、麻希さんは僕に対しても優しく接してくれるようになったのは素直に嬉しい。

同時に安堵もしたが。


「ねえ、瞬くんも一緒にパンケーキ屋いかない?」

「僕は部活があるから遠慮しておくよ」


麻希さん以外の女子がいるところでは……告白なんて出来ないよね。


僕に春はまだ来ない。


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キミの本音は? @yamakoki

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