第3話 片手剣が持てない

フーシェは俺に冒険者カードを返し、出かける準備を始めた。

俺はベッドから出る。

返された冒険者カードに目をやる。

フーシェが言うとおりレベル1になっている。

回復と幸運がずば抜けて高い。あとは低かった。

フーシェとの関係も教えてもらった。パーティー仲間だという。もう一人少女がいるという。同い年であったようだ。レベルは30もあったとの事。

そんなに高かったの。俺のレベル。

「ルノエの看病で金が尽きたの。もう今日の夕食の金もないの。クエストに行きましょ。ルノエ、これを持って」

机を叩き、嘆いたと思ったら、壁の隅に置いてあった片手剣をもち、俺に持たせる。

痛っ!

手に電流が走る。

片手剣が床に落ちる。

何で?何で手に電流が走ったの?

床に屈み片手剣を拾おうとするもまた電流が走る。

長い赤髪を揺らせ、文句を言う。

「何でこうも、ルノエはっ。レベルは戻るし武器は使えないはでっ。最悪ぅぅぅーー」

俺に文句を言われても。



フーシェに手を引かれ病室を出る。

病院を出て外に出た。

涼しい風が吹いていた。

「気持ちいい」

伸びをしながら、言う。

「そんな呑気なこといってないで、早く行くよ。ルノエ」

急かされながら、フーシェの後をついていく。

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