失墜した蒼穹-UTAU-
何も無い、道路の上を歩いた私。
もう見えない、彼女が隣を歩いていた、この道。
残酷な言葉、残忍な世界。
認めてくれない自分の我儘を、彼女は認めてくれたのに。
あの真っ赤な日が嘘のように、今日は青い空。
私を認めてくれたあの手はどこに行ったのかも分からない。
どこか遠くにいるのでしょうか。
彼女があの
でも、私は彼女を見ることはできない・・・。
あぁ、何で私じゃなかったんだろう・・・。
私よりもできる、私よりも優しい、私よりも綺麗な彼女が死んで、私が死なないのかが分からない。
この町に、何が残っているのか。
彼女の残痕を探し、歩くだけの私も居ないと同じなのだろう。
誰も、私なんて、要らないと、思ってるんだよ。
私は走る事しかできなかった。
私はこの苦い気持ちを忘れるために、走る事しか・・・。
周りも何も見ないで走り続けた。
私なんて・・・!
私は周りを見ないで走り続けた。
そう、周りを見ないで。
だから、こんな世界一無駄な命はこうなるのだろう。
決まってた結末。
私なんかが相手で、ごめんね・・・。
___________________________________________________________
最後に皆に聞こえたのは、車の急ブレーキの音。
その車はブレーキ痕という、残痕を残し、消えていった。
その蒼穹は失墜し、真っ赤に変わっていくのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます