継ぎはぎの世界観

道端に立ちすくんだ愚者は咽び泣く。

彼はそこにはいなく、愚者が求めた音はそこにはなかった。


-縫い目-


彼女たちを私は見ていた。

只、公園に居るような姉妹だ。

楽しそうに、手をつないでいる。

でも、なんだか、途轍もなく距離があるように見えた。


-縫い目-


彼は名前を忘れてくれと大声で叫んだ。

一つ目は永遠と駅のホームの時間にループしていく。

二つ目は魚の雨にやられ、殺されてしまう時間軸。

三つ目は青白く光る何かに脳を食い殺される町。

四つ目は見慣れぬ標識を無視して、溶けてしまう物語。


-縫い目-


彼女は笑った。

その笑みはだれよりもかわいい。

でも、好きになることは禁忌である。


-縫い目-


私はだれにも評価される価値が無いのだ。

知ってる。

だからこそ、私は雨を降らし逃げた。

全て、ここに置いていくことにする。


-縫い目-


帽子をかぶった彼女は天使の様だった。

私は一目ぼれした。


-縫い目-


貴方の言葉は信じれない。

貴方にとって物語は物語。

全ての意味立て。


-縫い目-


嫌いにならないで!

逃げないで。

そうこれは、

崩壊したのだ。

甘い話は崩壊を招く。


-縫い目-


冷え切った世界。

私達はその中で二人ぼっち。

悲しいけど、ご飯は美味しいの。

冷えた空気が入ってこないように戸締り。


-縫い目-


誰もいない、俺とお前さん以外。

へへへ、馬鹿みたいな話だ。

さっさと約束を破って、動いてりゃこんな事・・・、いや、こんな目には合わなかったぜ・・・。

お前さんだってこんな事したくなかっただろ?

そう言い訳をしつつ、俺は120回目のお前さんを殺したんだ。


-縫い目-


双子の少女の道行く先にトンネルがある。

そのトンネルは何を示しているか分からない、標識を置いていた。

中に入ってみることしかできなかった。


-縫い目-


浄化に狂いし、操り人形が私を殺そうと、その武器を振り回す。

だが、その程度で仕留められると思わないでくれたまえ。

君という操り人形を殺すのは容易な事だ。


-縫い目-


還ってきました。

その道の先には何もないですよ。

何度でも、巡り合うのですから。

如月駅で・・・。

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