蒼井傘-episode-

私は、蒼井傘あおいかさっていうの。

何でそんな名前になったかは知らないけど、私はこの名前好きだよ。

名前の所為か知らないけど雨の音が好きなの。

私が思うに一番いいのは霰かな?

「霰、怖くないの」って?

うーん、言い方は悪いと思うけど・・・、アレ、雨だよ。

雨に対して恐怖なんて無いよ。

そのさ、急に話題を変えるようで悪いんだけどさ、蒼井って良い苗字だと思わない?

私、・・・自分で言うのも変な事だけど蒼井って名字で生まれて嬉しい!

綺麗だよね、蒼って漢字。私達の上にあるこの空みたいなイメージ!私はこの空は蒼だって思ってるよ。

ん?何?「不思議ちゃんだね」って?うーん、不思議って何なのかなぁ?よくわかんないや・・・。でも、私思うんだよ。

意味を分かってるような言葉っていっぱいあるけど、その言葉の・・・、うーん・・・、なんて言えばいいのかなぁ・・・、・・・、そう!言葉の深層的な意味合い?っていうのが一番近い気がする!そう、その深い意味を考えてこその言葉だと思うの!「意味わかんない」って顔してるね、皆その顔で私のことみるんだ、飽きたよ、面白くなぁーい!

うーん、君と話してるのもいいけど、私は私で仕事一杯あるからさ、また後でお話ししよう!うん、また明日ね!


次の日


楽しそうに話していた彼女は来なかった。

そこにはボロボロになった蒼い傘と、花束が置いてあった。

そういえば、最近、お盆って呼ばれる時期だったのを忘れていた。

暇になって帰ってきてたのかな・・・。

自分も墓参りにいって、婆さんに顔を見せに行かないとな・・・。

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