真夜中の月

遠く、遠く、黄色のようで

白の光を放ちながら

夜の群青に浮かぶ月や

冷たい空気が喉を潤して

水分を含んだ髪が濡れていく

空の色はシンプルなのに

地上の色は鈍い色

だから惹かれるのは悪くない

そう自分が醜いと知っているから

簡単なものに逃げていく

手を伸ばしても届かないのに

寂しくて寂しくて一年中

夜空と月と星を見ている

体の熱は無駄に流れ

空の熱は人の焦がれ

海に住む鯨たちが歌を唄い生きていく

ならば地上の私たちは歌を歌えば届くだろうか

この熱量が届くだろうか

真夏の月は真夜中の月

惹かれて離れて月が光る

今日も綺麗と鳴いて聞こえてますか

愛しい、愛しい、私の月

初めて会う、私の月

今日は新月の真夜中の光

ああ、終わるね

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

季節に 朶骸なくす @sagamisayrow

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ