第137話【もうひとつのライブ後】


 ふぅー、今日も疲れに疲れたわね。

 でも、ドームは満員大盛況

 やっぱりあんなに大きな会場が満員は嬉しいわね。

 

 って、知らない人からline......?


 田中.......? ん? 誰?


 って、もしかしてこれ、あの健人のお友達の田中くん....?

 なに急に? 珍しいわね。って、田中君の方から私にlineなんて初めてじゃない?

 ど、どうしたのかしら? け、健人に緊急事態とか?


 『ミキさん。僕は許せません。これを見てください』


 って、何これ? なんかurlついてるけど......。

 まぁいいか。意味わからないけど、とりあえず押しちゃお。


 「........。」


 何?これ。youtube?

 可愛い女の子......。へぇー、中々の登録者数と再生数。

 人気じゃん。


 ふふっ、何かものすごいこと言ってるし.....。

 ちょっと面白いかも。


 って、この娘。

 どこかで見た様な気が......。


 「.......。」


 えーっと、どこで.....? 絶対にどこかで、って


 あ、け、健人のバイト先のチャイナ娘!


 な、何しているのよこの娘......。

 てか、始めてからほとんど経ってなにのにこれって、いや、ものすごい人気じゃん。


 「.........。」  


 で、何で田中くんは私にこの娘の動画を.....?

 何が許せないの?

 ん? ちょっと意味わからない。


 「........。」


 って、ん?

 あれ、今の声......って


 ん?いやいや、今の声....


 尚も私の目の前のスマホの中では動画が流れ続ける。


 『ん? なんかイケボが聞こえてきたけれど、そののお友達って男かって? うん。そうだヨ。』


 お、幼馴染......?


 『え? そのお友達はカッコいいのカって? ふふっ、どうかナー。まぁカッコいいと思うヨ。は色々とナ。』


 ケント......?

 い、今この女の口からは確実にそう聞こえてきた......


 「.......。」


 巻き戻して確認してみたけど....うん。

 確実に。


 それに一瞬だったけどやっぱりさっきの声も.....。

 の私が聞き間違えるわけがない.....。

 本物のの私が.....。


 「........。」


 に、二分前にライブ配信済.......。


 ということは、つ、つい二分前にケントはこの泥棒猫の家に......。

 って、いや今も?

 わ、私の家には来ないくせに.....。


 こ、この泥棒猫の家に......。


 これは確かに......ゆ、許せないわね。


 「.......。」


 よくやったわ。田中。


 褒めて遣わす......


 くっ......それにしてもまたいつの間に


 どうする。どうしていく。私......


 やばい。本当にやばい。



 ギリッ......


 って、え......? 


 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る