第136話【生配信】
おお.......これが今リアルタイムで流れているのか。
すごい。コメントが続々と流れてきている。
よくわからないコメントが......。
あれ、今のアカウントの名前、オッす田中ってもしかして.......
「......。」
でも開始約30分で6,000人が視聴中。
これ、すごいよな。すごすぎるよな。
内容はともかく、すごすぎる.......。
「ふふっ、今日は実は映ってはいないけド、お友達が隣にいて、リンリンちょっと恥ずかしかったりもするネ。リンリンがどうやってこのyoutubeを撮ってるか興味あるみたいでネ。」
お友達......。
「幼馴染のお友達なんだヨ。え? どんな人か見てみたいのカ? えー」
い、いや......え?
何故か動画配信中のリンリンと目が会う俺......。
「む、無理無理」
無理、無理に決まってるだろ。こんな大勢が見ているところに。
いや、ほんと無理。
「だよネ。ごめんヨ。ごめん。私の幼馴染ちょっと恥ずかしがりやさんネ。いつか出てもらいたいけド、それはまた今度ってことでお願いネ。」
よ、良かった。
さすがに無理。急には無理。
最近色々なことに急に巻き込まれることが多すぎてもう勘弁。
本当に勘弁だ。
「ん? なんかイケボが聞こえてきたけれど、その幼馴染のお友達って男かって? うん。そうだヨ。」
でも、リンリンはそこらへんは良かった。
ちゃんと俺の話を聞いてくれる娘で。
「え?彼氏じゃないのかって? ふふっ、違う違うヨ。残念ながら違うネ。私は彼氏いないネ。残念ながらネ」
って、なんでそれをこっちを向きながら言うんだリンリン......。
「え? そのお友達はカッコいいのカって? ふふっ、どうかナー。まぁカッコいいと思うヨ。ケントは色々とナ。」
で、何でまた俺の方を見て........。
い、今、生配信中だよな......。
てか、かっこいいって。
いくらリンリンでもちょっとドキッとするから止めろ......。
って、ん? 今、俺の名前言った?
「.......。」
まぁ、ケントなんて名前いっぱいいるしまぁ別にアレか。何もないな。
うん。別に害はないだろう。特定なんてされるはずがない。
というか、さっきからどうしても気になってしまっていたけど、そのチャイナ服......ち、ちょっと色々ときわどいな。
ふ、太ももとかが露骨に.....。
べ、別にみてないけど。別に.....。
「ふふっ、少なくとも、今見てくれているお前ラ、ドМ野郎共よりはカッコいいんじゃないカ?ほんと感謝しろヨ。そんなお前ラの為に毎日私は配信してヤッテルネ。オラ、次はどうするネ。安心するヨ。私が踏んでやったりするのはお前ラだけネ」
ま、またすごいことを......。
楽しそうな顔で......。
し、しかも、何か今のリンリンの言葉で視聴者たちはさらに盛り上がってるみたいだし.....。
なんだこの世界.....。
「とりあえず、今日の私は機嫌がいいネ。今夜はまだまだ頑張るから、お前らしっかりついてくるネ!」
というかいつの間にか7000人が視聴中。
やっぱりすごいな.......。
今、思ったけどこれ、広告収入とかすごいんじゃないか......?
ん? やばくないか?
お、お金持ち?
一体いくらもらえるんだ.....?
あ、後で聞いてみよう.......
うん。聞いてみよう。
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この動画を見ながら、そしてこれから見ることになって歯ぎしりをする者たちがいることは言うまでもない.....。
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