第106話【超逆鱗】


 「何してんのよ!!!!!!!!!!!!!!ふざけてるでしょ!!!!!ねぇ!!何とかいいなさいよ!!!!!!」


 うっ、み、耳が。冗談抜きで耳が.........。


 「どういうことよ!!!アレはどういうことよ!!!!!ちょっと!!!!!!ねぇ!!!!!!」


 や、やばい。過去最高にうるさいかもしれない。ミキのせいで、ス、スマホが壊れてしまいそう。それぐらい声が.......。


 「いや、あれは「何でよりにもよって!よりにもよって!あの女とあんなことを!!!!!」


 ち、ちょっと本当にこれは完全に暴走している。全く話を聞いてくれないぞ。

 遥からスマホを受け取った瞬間、何故か既にミキの怒りはMAX状態。激鬼MAX


 「いや、ちょっ、俺だってびっくりしているんだよ」


 「こっちはびっくりどころじゃないわよ!何であんなことになったのよ!おかしい。おかしすぎる!ありえないじゃない!何でよ!何であんたがドラマに!!!」


 いや........


 「いや、違う。俺はドラマになんて出ない。あ、あれはイメージなだけであって俺は出ないって」


 出ない。うん。出ない。出ない......よな。うん。出ない。

 出るなんて一言も言ってない。


 「イメージ?出ない? ふ、ふざけないでよ!!!!あんなのどう考えたってもう出ないといけない流れじゃないの!!!!!あんた世間の反応しらないの?知ってるわよね!!!!!!SNS始めたんだから知ってるわよね!!!!!!!!!」

 

 ま、まぁ知ってるけど。


 「あ、あんなにあの女と顔を近づけて..........。なんで!ねぇなんで!わたし言ったじゃない!芸能界は芸能界だけは駄目だって!しかもあの女がヒロインのドラマになんて!!!!!!!」


 「い、いやいや芸能界に入るつもりなんてない。」


 「いやいやじゃないわよ!!!!!!あんたが入るつもりはなくても世間はもうそれを許してくれないのよ!何しちゃってくれてんのよ!もう後戻りできないところまで来ちゃってるのよ!」


 「いや、でも......「でもじゃないわよ!もうSNSだけじゃなくテレビでも騒がれてしまっているじゃない!!!あんた何か契約書にサインしたんでしょ。しないとここまではならないわ!したんでしょ!」


 あ.......やっぱりアレ、そういう意味の。あ.......。


 「無言は肯定よね!やっぱりしたのね!バカケント!!!!!!!」


 あぁ.......まじでバカだ。俺。

 何でほんとにあの時の俺は......。


 「どうすんのよ!!!!!!!!!!!!!!」


 いや、ま、まじで俺出るの.......? ドラマ。

 出ないよな。


 嘘だろ........出ないよな。


 「いや......どうするんだ。」

 「だからそれを私が聞いているのよ!!!!!!!!」


 「........。」


 「第一、あんたに演技なんてできるの? したことあるの? できないでしょ!!!!!!」


 うん。できない。


 「もう! バカ!バカ!バカ!ずるい!ずるい!ずるい!...........」


 ずるい?


 って、急に何か静かになったぞ。

 どうした。


 「そうか。そうだ。そう。それしかないわ。」


 ん、何かよく聞き取れないけれど小さな声でブツブツと.....


 「ケント!!!」

 「は、はい。」


 な、何だ


 「し、仕方がないから、本当に仕方がないから、この私が特訓してあげるわ!!覚悟しなさい!!!!」


 「と、特訓?」


 「そうよ!特訓よ!これでも演技の経験あるもの私!徹底的に特訓よ!」


 「え?」


 「忙しいけど、本当に仕方がないから私が度々実家に帰ってあげる!そこまで遠くはないしね。みっちりマンツーマンで演技の特訓してあげる。うん。本当にそれしかない。有難く思いなさい!この私がヒロイン役をしてあげるのよ!幸いにも私はあの原作漫画に詳しいの。ビシバシ行くわよ!よし!よし!よし!そうよ。特訓よ!」


 え、あ、え.......。

 何か機嫌はだいぶと戻った見たいだけど、また気が何か話がよくわからない方向に.......。


 いや、え?特訓?


 ってか、本当に俺はドラマにでるの?


 え?


 本当に? 嘘だろ?


 え?


 と、特訓?



――――――――――――――――――――気分転換に考えていたものが、書いていてそれなりに楽しかったのでとりあえず新作として不定期で投稿します。大学生ものです。

もしよろしければ次回の「鈍感ぼっちくん」更新までの繋ぎにどうぞ。

  

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