第70話【夏休み 止まらない着信】


 はぁ......今日のパンケーキは本当に美味しかったな。

 でも今度どうやってあそこに一人で行こうか.......。

色々と見渡した限り、男一人で来ている客はいなかった。


 はぁ.......お持ち帰りとかできるようにならないのかな。

 

 そんなことを考えながら、風呂上りの俺はドラマを見ながらリラックス。


 そういえば、この俳優も今度ゲストで来る予定だったっけ.......。

 楽しみだな。


 って、ん?


 いつの間にか机の上の俺のスマホが震えている.......。 

 着信か。

 画面上にはリンリンの文字。

 

 どうしたのだろうか......? 


 「はい。間宮です。」

 「ケント。ヤッてくれたな。」


 「え?」

 何を......?

 というかいきなり何だ?


 「え?っじゃないネ。バイトの謹慎中にのうのうと女の子とパンケーキか?」

 え? パンケーキ......?

 って、な、何で知ってる?


 「今回はこっちには飛火してないケド、ほんとケントは何ネ。実はバイトに復帰したくないのカ?私と一緒に働きたくないのカ?」

 ......へ?

 何を言っているのかが全くわからない。

 というか本当になんで知っている。


 「しかも、あの女誰ネ!初めて見る顔ヨ。しかも、あ、あんな食べさせあいっこ。わ、私ともしたことないのに。あいつは誰あるカ!も、もしかして彼女なのカ? そうなのカ? おい何かいうネ ケント!」

 .......え?

 何を言っている。

 というか......何でそこまで詳しく知っている。


 一通り知っている奴がいないかどうかは確かめたはず。

 でも知っているということは、い、いたのか?

 ま、まじか.......。

 

 「ケント! 何黙っているカ?」

 「い、いや、只のクラスメイトだよ。俺が彼女とそんな関係なわけないだろ。い、一体、何を言っているんだリンリン。」

 ほんとにそんな関係なわけないだろ.....。

 

 「で、でも、只のクラスメイトにケントはアーンしてもらうのカ?」

 い、いやそれは......。

 っていうかほんとに何だあの状況は......。

 改めて冷静になって思い出すとやっぱり普通ではない。

 ほんと普通ではないよな.....。


 「ケント! また黙って! 何か答えるネ!」

 「い、いや......ほんとに只、パンケーキを食べに行っただけ。」

 本当だからそれ以上に答えようがない.....。

 そ、それに何でそんなに怒っている......。


 「はぁ.......ケン 「ツーツーツー」


 すまん......。

 よくわからないけど、終わりそうにないし何か声が怖いから切らしてもらう。

 

 ま、まぁ.......またかかってくるんだろうけど。

 

 でも、よくわかないけれど........まじで何で知っている。

 絶対誰にも見られていないと思ってたのに。

まぁ、リンリンなら別に影響はないけど......。

嘘だろ......。


 あぁ........やっぱりまたかかってきた。

 そうだよな。


 って.......え?

 リンリンじゃない........。

 渋谷さん?


 え?

 「あ、はい。間宮です。」

 反射的に次の着信も普通にとってしまう俺。


 「ちょっと間宮健人!あ、あなた山本さんと、ど、どういう関係よ!」

 は?

 「え.....どういうこと。」

 まじでどういうこと......。


 「どういうことも何もあなたとパンケーキ食べてるこの女性。や、山本さんでしょ。」

 .......へ?

 な、何で渋谷さんまで知ってる。


 いや、絶対いなかっただろ。

 え?


 「あ、アーンって、ちょ、これ、あなた達、も、もしかして付き合ってるの? ねぇ、間宮健人、どうなのよ。」

 .......え、渋谷さんまで。

 ほんと何で。


 「い、いや、付き合ってるわけないだろ。俺だぞ。」

 まじで......。

 さっきも同じ質問をされて同じ答えを返したけど、え、まじで何だこれ。


 「で、でもこれ、モザイクかかってるけど、や、山本さんで間違いはないのよね。」

 .......へ?

 も、モザイク。


 ど、どういうこと?

 

 「って、そもそも何で山本さ「ツーツーツー」


 ど、どういうことだ。

 何でリンリンも渋谷さんも


 へ? 

 一体何が起きてる。

 

 え?


 まじでどういう状況.......?

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