死にたがりの聖女に幸せな終末を。//Days After Daydream
■プロローグ//1943/11/XX(1):日記帳より抜粋の記録:A-60およびA-37
帝政圏に来てから、やっちゃんは皆に「日記をつけとくように」って言ってたんだよね。
記録を残しておけば、いざっていう時に役に立つことがあるかもしれないから、って。
その「いざっていう時」がどういう時なのかよく分からなかったから、面倒くさいなぁと思って結局三日くらいでやめちゃってたんだけど――最近になって部屋の掃除をしてたらその時の日記帳が出てきてさ。
見返してみたら当然何も書いてなくて……その時なんとなく物足りないような、もったいないような、そんな気持ちがしたんだよね。
だってさ。これまでずいぶん、いろんなことがあって。いろんなことを思ったり、考えたりしたのにさ。
こうして見返してみたら、どこにもその証拠が残ってないんだもん。
……だから。だから私、決めたんだ。
今日からちゃんと、毎日のいろんなことをこうやって日記に残しておこうって。
そうすれば楽しかったことも悲しかったことも全部、忘れずにとっておける。
悲しいことは、とっておきたくないけど……だけどその時は悲しくても、後になってみたらきれいさっぱり解決してて、「なーんだ」って笑い飛ばせることかもしれないし。
そんなわけで、私、六花は今日から日記を再開します。
今度はみーちゃんが毎日ちゃんとチェックしてくれるって言ってたし、しっかり頑張る!
だから応援してね、みーちゃん!
(欄外の添え書き:「頑張ってね、六花ちゃん!」)
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