裏切り

勝利だギューちゃん

第1話

好きな女の子がいた。

そう、「いた」

つまり、過去形で、現在完了形ではない。


一度も、声をかけたことはない。


その子には彼氏がいた。

他にも、たくさんの男友達がいた。


悪い言い方をすれば、本命以外にも、たくさんのセフレがいたのだ。

なので、悪く言う人も多いわけで・・・


当人は、「楽しまなくては損」と、周りの批判は気にしていなかった。


僕は彼女の、そういう前向きさが羨ましかった。


でも、自分に彼女がいたら、その子が他の男子とデートとかしたら、

やはり、気分が悪い。


なので、デートに誘う事はなかった。


高校卒業後、ひとつくらい想い出があってもと、誘ってみたら、

承諾してくれた。


まあ、お情けとは思うが・・・


それでも、嬉しかった。

でも、初めてなので、どうしていいのかわからない。

とても、不安だった。


でも、その心配はなかった。


行くことはなかったからだ。


当日、彼女はなかなか来なかった。

しばらく・・というか、かなり長い時間、待ち合わせ場所にいた。


おそらく、周囲は冷ややかな視線を送っていた。


時間も場所も間違えてない。


そして、夕方近くになり、ようやく彼女は現れた。

他の男を連れて・・・


その男は、知っている。

セフレのひとりだ。


そして、彼女は僕にこう言った。


「本当に、デート出来ると思ってたの?その顔で、アホじゃない?」


確かにそうだ・・・

もう、笑うしかなかった・・・


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裏切り 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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