第47話 想いは救済の余地はなく

 あの人が幸せでいてくれれば…

 僕は、きっと本当に僕を愛してくれた人を裏切った。

 あの人の隣にいられたのなら…今は、まったく違う今であったはず。


 多分、何よりも酷い仕打ちをした僕の人生は、幸せとは無縁となったのだろう。


 18歳、年上だった彼女を裏切って、僕は10歳、年上の人妻に恋をした…そして18歳離れた若い風俗嬢に恋をしている。


 どれも現実離れしているように思える。


 だけど…各々に僕には必要な女性であったと思う。

 その全てを得ることはできなかったとしてもだ。


 時は流れる…想いは?

 留まり続けているのだろうか?


 あの人が幸せでいてくれたのならば…僕は、もうそれでいい。

 それ以外の何も望まない。


 ただ幸せでいてくれたのならば…

 その姿を一目見られるなら…

 僕はそれだけで…。

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