第46話 心の声

 いつからだろう…

 待つことに慣れたのは…

 いつからだろう…

 待つことすらしなくなったのは…


 何かを、誰かを…待つことを諦めてしまった?


 常に誰かが隣にいて…いつも予定が重なって…そんなことが当たり前だった。


 歳を重ねる毎に、何も無くなって…今は、誰も…


 隣に誰もいない。

 電話なんて鳴らない。


 誰とも繋がらないコミュニケーションツール。


 独りと1人…まるで違うんだと気づいた。

 気付いたときには…誰もいない。

 皆、何をしているのだろう?


 恋人…家族…友人…どれも自分の掌から零れ堕ちた。

 全部…全部…


 何が残った?

 何を残した?


 後悔しか残ってないだろう。


 心の底で…僕が嗤う。

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