第38話 神

 神は石板に刻んだ。

「神以外の者を神と崇めぬように…」

「神の姿を想像せぬように…」


 それは許されぬ罪


 だが…人は神を想像し崇めた…。

 ゆえに神は罰を与えるのだ。


 宗教戦争は無くならない。

 神は罪を償わせている。

 神は自らの手は下さない。


 人々は勝手に殺し合うからだ。

 この結果が解っていたから神は禁じたのか?


「神の名において」

「神のために」


 神…神…神…神…


 その神の名の影で泣く子供がいる。

 神が創られた生き物が殺されていく…


 人に救いなど無いのだろうか…殺す…殺す…殺す…。

 だから神は人を許さないのだろう。

 だが…その殺す理由が神なのだ。

 輪廻、罪と罰を繰り返す輪廻。


 いつか人は神を捨てる日が来るのだろうか?

 神を信じない日が人に訪れるなら…


 神の影で泣いている子供は神を信じるだろうか?

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