第37話 歩けど…歩けど

『明けない夜は無い…』

 それは闇には果てがあるということだ。

 でも闇から出れない僕がいる。

 僕に光は見えない。

 ずっと…闇の中にいる。

 暗すぎて、自分すら見えない、どこまでが自分で、どこからが闇なのかすら解らない。

 僕自身が闇なのだろう。

 どこまで行っても、闇は闇。

 だから…明けない夜を歩く。


 闇は影すら映さない。

 闇を照らす灯りは…もう手放してしまった。

 ぼんやりとした光に手を伸ばせど…届かなかった。

 闇は知らない。

 光の灯し方を知らない。


 だから…光差さない闇の中から僕は全てを拒む。

 闇とは拒む心。


 光も希望もいらない。

 ただ…この闇に差した、灯りを…もう一度…だけ。

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