第33話 真似事

 神は自分に似せて人間を創った。

『アダム』と名付けられた人間の妻になることを拒んだ『リリス』は神の元を離れ神に仇名す悪魔を産む。

 神は『アダム』の一部から『イブ』を創り妻とした。

『エデン』で不自由なく暮らしていた『イブ』は蛇に化けた『リリス』に唆され『知恵の実』を食し『アダム』にも与えた。


 無知ゆえの幸せを放棄した人間は『エデン』を追い出された…。


 土くれから創られ知恵を与えられた、それが人間ということだ。


 そして今…人間は機械の身体に人工知能を与えようとしている。

 そう…神を真似しているのだ。


 我々が創造する『アダム』は、どうなるのだろうか?


 神はなぜ『アダム』をエデンから追放したのか?

 我々は、その時すでに神に見放されているのだ。

 神を崇めることが無駄だと知ったから人間は自らが神になろうとしているのだ。


 神はなぜ『アダム』をエデンから追放したのか?

 それは…自らに近づき超えることが容易に想像できたからだ。


 我々は、それを知りながら『知恵の実』を機械の身体に与えようとしている。

 近い未来に産まれる『アダム』と『イブ』よ…

 創造されるキミ達は、どんな未来をを想像するの?

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