第23話 ゴミ屋敷
木は伸びっぱなし、草は生えっぱなし、廃棄された自転車が家の敷地内に転がる。
廃チューブ、壺、切れたホースが玄関に転がる。
私の両親が住みやすい家だ。
本当に子供の頃から何度、殺そうと思ったかしれない。
私の子供時代は惨めなものだ。
ゴミ屋敷に住んでいることをからかわれ続けた。
今も…それが続いている。
家の中では野良ネコだか飼い猫だか解らない数の猫が走り回り、悪臭がする。
何度言っても捨てない。
片づけない。
地震のおかげでゴミは片付いた。
それから数年が経ち、今はまたゴミ屋敷だ。
私は、自分の建てた家のローンを払うことを止めた。
数か月すれば差し押さえられるだろう。
それでいい。
家を出ればもう両親と会うことはないだろう。
一緒に住んでいても、互いに携帯の番号も知らないのだから。
これ以上、ゴミ屋敷に金を払う気はない。
コレクションも全て売り払って、此処を出よう。
僕には、もう必要な人も物もないのだから。
独りでいい。
それに飽きたら死ねばいい。
もう…疲れた。
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