第21話 死にたい私へ

死にたかった…目が覚めてからずっと…。

『死にたい』何度、キーボードを叩いた…?


外では、工事現場で皆、働いている。

僕は、今日も、部屋でパソコンを眺めている。


『残念ながら不採用とさせていただきます』

もう…何処からも必要とされていない。


人間としての賞味期限は過ぎているのだろう。


選ぶ歳じゃないけれど…選ばなきゃ生活できない。


皆、色々な事情で会社を去る時が訪れる。

親の事情…自分の都合…会社の都合…。


結局、家族って邪魔になる。

年老いた両親を抱える年齢になると、会社も踏絵を用意する。

忠誠を誓えば、定年まで保障してやるけど…ダメならここまでだよ…と。


何かを捨てなければ…生活すらできなくなった…。


この国は変わらない…今も『姥捨て山』は存在しているのだ。

田舎の山奥ではない…至る所で…あそこでも…ここでも…。


『死』を望まない日なんて、この3年くらい1日たりともないのではないだろうか…。


長生きなんて、望めるものは幸せな、一握りの人間だ。

僕は、眠ったまま…目醒めを望まない。


今日は、バス停の夢を見た…。

僕を残して、皆は乗って行ってしまった…。

残されたバス停で、うずくまる…家から、ほど近いバス停で…。


『不安』が消えない…それから逃げ出したくて…僕は『死』を望む。

今も…きっと10分後も…。


僕を必要とするものはいない。


それは、きっと僕のせい。


もし…拳銃があれば、引き鉄を弾けるだろうか…それすらも怖くて逃げだすだろうか…。


なにがしたいんだい…?

なにもしたくないのかい?


鏡の中の僕へ…もう目覚めないでいいから…頼むから…僕を殺してください。

僕の生き方が…存在が間違っているのなら、もう…充分だから、よく解ったから…だから…殺してください…。


生きたいなんて願ってない。

死にたいのに…それが怖いだけなんです…でも生きることも怖いんです。

だから…どうぞ…明日こそ、目が覚めませんように…。


I wish for…please stop life me.

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る