第18話 警鐘

AIの発展が凄まじい…。

『ポナンザ』を御存知だろうか?

将棋のAIなのだが、定石に捕らわれない最善の1手を指してくる。


AIはすでに過去の大局での学習を終え、AIがAIを相手にパターンを蓄積している。

24時間、将棋を指し続ける…これは、すでに人間の一生では到達できないレベルの対戦を経て、未来へ進んでいるのだ。


プロ棋士が想像できない初手を打ってくる。

その時点で、動揺を抱いているわけで、負けは確定しているようにも思う。


ひとつの目的の為に最善な手を導き出す、このようなゲームは確かに人間向きではない。

対人戦では、いかに相手の心理を崩すか…将棋に限らずゲームというのは、ソコにポイントを置いているのだが、AI戦は違う。

常に、頂点同士がぶつかるのだ、ミスは無い。

先手有利である以上、おそらく先手を取ったAIが勝つのであろうが、彼らは常に新しい1手を模索している。

すでに定石を学んではいないのだ。


騎馬戦に銃火器を投入したようなもので、相手にならないというより、別次元の戦闘が行われていると言ったほうが良いのであろう。


我々は、このAIをどう使っていくのだろうか?


実は、AIを育てること、そのものに興味が向いていて、実用性は無視していないだろうか?

育てている物が、悪魔の卵でないことを祈るばかりだ。


人間は創造主を超えたのか?

人間は何を産み出そうと言うのだろうか?


AIの最終回答が『想像主不要』と導き出すのに、あと何年掛かるのか?

そう遠くないような気がする。


哲学の果ては『生』の否定…すなわち『死』

宗教の極致は『有』からの解脱…『無』なのだ。


ロジックで導き出されるアンサーに、僕たちは従えるだろうか。

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