第11話 中学生が自殺した。
中学生が自殺した…。
いじめが原因だそうだ。
そのニュースは、ほんの数分間流れた…だけ…。
教育委員会…学校関係者…。
そっちのほうがどう対応するか?
なんで、その目線なんだろう?
責任って…なんだよ…。
命を自ら絶った、それの責任ってなんだよ。
僕は…ずっと死にたいと思っている。
死にたい…死にたい…死にたい…。
だから?だけど…。
僕は、今日も生きてしまった。
踏み外したレールは、もはや遠く…遥か遠く…あの場所には戻れない…。
解っているんだ…。
『傲慢』それが僕の『罪』…裁くのは『神』?
全部が『僕』だ…犯したのも…裁くのも…苦しむことも…。
これは責任なのだろう。
『中学生が自殺した』
聞き流してしまいそうな、ありふれたことに思える。
思えるようになってしまった。
それほどに…この世界は『命』に冷たい。
僕は、その事実に冷たい。
この事実が冷たいから触れないのか…。
誰も触れないから冷たいままなのか…。
その躯は冷たいまま…命を絶って、なお冷たいまま…。
もう…止めようよ…。
この子の人生って…一言だったのだろうか?
10数年間の人生…自らの命を絶つ、その人生は数秒間だったのだろうか?
『命』を…『個人』を、まとめないで。
何件あったじゃないんだよ。
全部 『個』 なんだよ。
でかい袋が1個として考えないでほしい。
袋の中に、何個入ってる?ってことなんだよ…。
彼の事は何も知らない…知る術もない…。
『死にたい』は『願い』だったのだろうか。
否。
『死にたい』は『戦い』だったはず…。
勝利の無い戦い…でも、きっと戦ったのだと思う。
僕も今、戦っているから…。
ソコだけは解る。
最後まで…願ったはずなんだ…『生きたい』って。
きっと『死』が訪れるまで…『生きたい』と思っていたんだと。
それが『願い』だもの…『死』を望む者の『願い』だもの。
だから…僕は…涙が溢れる…願いを知っているから…。
だから…僕は…彼を責めない…戦ったんだ。精一杯、戦ったんだ。
僕は流さない。流せない…。
何度も言う。
『中学生が自殺した』
この事実は、あなたに『何』を残しますか?
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