第3話 隣のあなたへ

 ありがとう。


 気にかけてくれて。


 ありがとう。


 僕を外へ誘ってくれて。


 あなたは、僕と18歳離れています。


 若く、美しく、触れてはいけないような存在。


 逢うたびに、抱きしめたくなる。


 色々と伝えたい……。


 でも言葉にはできない。


 好きだ という言葉の重みを、僕は知っている。


 その言葉を口にするには、あまりに僕は、軽い存在。


 お金もなく、心を壊した今の僕には、その一言が、あまりに重い。


 好意を持ってくれているのか?

 ただの同情なのだろうか?

 あるいは、そんな心すら抱いてないのか?


 今の僕には、わからない。


 抱きしめるだけで精一杯。


 今の僕には、それ以上……。


 だから、いろんな気持ちを込めて


「ありがとう」

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