第15話 洞窟階層ボス オーガ
!ご注意ください!
残酷描写有り! 性描写(?)有り!
男性が縮み上がり、女性が不快に感じると思われる表現があります。
オーガのアレをアレしてアレする話です。
!ご注意ください!
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翌朝、リアーロとポラは準備万端でボス部屋の扉の前に立っていた。
準備と言っても、胃腸の具合の話だが……。
この階層のボスは、それほど強くないリアーロでも単独で倒せる程度のボスだ。そのことは、ポラも事前に聞かされていて、四階層焼きの味しか気にしていなかった。
「いくぞ!」
そう言ってリアーロが大きな扉を開けた。
グルルウウウォォォォ!
扉の先には人の三倍ほど大きな赤い皮膚の人型の魔物がいた。
頭には大きな二本の角が生えていて、髪は伸ばしっぱなしの赤毛だ。口は耳の付近まで大きく裂けて、口内に収まらない鋭い牙が飛び出している。耳は鋭く尖り目は馬と同じ様に白目が見えないほど、黒目が大きい。
体格は筋肉の塊と言う表現がぴったりで、その腕はスマッシュエイプを超えるほどに太い。
武器は所持していないく、防具は上半身はクロスした革ベルトだけで、下半身はオークの生皮と思われるものが紐でくくられている悪趣味な腰巻きをしている。
「こいつはオーガ。素材は、角と手足、それと……。下半身だ……」
ポラは、下半身に少し引っかかったようだが、すぐに魔法を行使する。
「竜爪」
ポラは、珍しく呪文らしきものを唱えると、ドラゴンの咆哮と共に三本の三日月型の光線がオーガに向かっていく。
その光線は瞬時にオーガを脇の下から上、脇の下から腰、腰から下に三分割した。そして、オーガがいた後ろの壁がえぐり取られ大きな引っかき傷のようになった。
オーガは血を吹き出しながらバラバラになり、すぐに血溜まりを作った。
「ボス……。うーんボスか……」
ポラは、オーガが弱かったことに納得がいっていなかった。ボスと言われるぐらいだからちょっぴり期待していたが、短縮詠唱ですら耐えられなかった。
「よし! 今回の講座はオーガの角と
何だか消化不良で機嫌が悪そうなポラに、睾丸というワードをぶち込み気を反らせると同時に講座に突入する。
リアーロの思ったとおり、気がそれたのですぐに処理袋から道具を取り出す。
今回使用するのは、
「まずは、角だな。こいつは魔除けとしても使われるが、どちらかと言うと討伐した記念品として取る事が多い」
そう言いながら、オーガの頭に近づき、骨切鋸を角の根元にあてがうと、ギコギコと鋸を引き切り落とす。
「角といっても骨だからな、それほど強くない。武器とかに使うならストーンハーミットクラブのスパイクの方が強い」
角をカバンに、しまうと今度は、太い腕のところへと移動する。
「次は
「そうなんですか、私も威力が強い的な意味であやかってその名前なんだと思ってました」
オーガボウの豆知識を聞いたポラは、自分もそう勘違いしていたと返事をした。そんなことを話しながらも、リアーロは手際よく解体する。
腕の内側に包丁を入れ、骨付近にある筋の場所を確認すると、それに包丁を沿わせるようにして切る。
「筋は肉を多めに付けておくといいぞ。
二箇所包丁を斜めに入れると三角柱のような肉が切り出された。
これを、上腕、前腕、大腿、下腿と、計8本取る。かなりの重労働だが、消耗品である弦はよく売れるので、その対価は十分にある。
三角柱の肉塊八本を防水布にくるみカバンにしまうと、ポラもチラチラと気にしているアソコの前に移動する。
オーガのアソコはなぜか、死後も腰布が三角に突き上げられている。
「最後は睾丸なんだが……見なくても良いんだぞ?」
ポラは首を大きく振ると、「本のためです!」と言って目を見開く。
「オーガってのは、死んだ後も……その……交尾ができるんだ。と言うかほとんど死んだあとに交尾する」
リアーロは、ところどころ口ごもりながらオーガの生態について語った。
オーガは、メスが気に入ったオスを見つけると殴り殺すのだ。そして殴り殺した後にその下半身を使い交尾をするという、とんでもない生態を持っている。
その生態の原動力になるのが睾丸だ。睾丸は死後一日ほどは、心臓の様に脈打ち、アソコに血液と子種を送る。
その繁殖への執着とも言える源の睾丸には、人間のアッチの力を倍増させる効果があるため、跡継ぎを作るのが責務と言われる貴族に大人気である。
余談ではあるがメスに勝ったオーガは、オーガロードとなり大きなハーレムを形成する。しかし、力が弱まれば、普通のオスと同じ運命をたどるのだ……。
リアーロは、説明を終えるとオーガの腰の趣味の悪い腰巻きをめくり、ギンギンになっているアレと脈打つふた玉入った袋をさらけ出した。
「すご……」
ゴクリとつばを飲み込むポラ……。
「腕……いや足ぐらいあるな、これは勝てない……」
何度見ても何故か比べてしまうリアーロ……。
足ぐらい太い、そそり立つアレに脈打つ睾丸……。睾丸が収縮すると、血液が送られアレが少し膨張する。交互に膨らむアレと睾丸がこの場を支配している。
「よし、やるか……。あの……ええと……まずは、きんた……えっと、袋の根本をワーム輪ゴムで縛り上げるんだ。この時に絶対にアッチには触れないこと、刺激を与えたら汁まみれになるからな……」
そう言うとリアーロは、慎重に輪ゴムを袋の根本にかけグルグルと縛り上げる。
「うわ、我ながら、ひどい事をしやがる……」
縛られた袋は血液の行き場を失い赤く腫れ上がる。
男には不思議な事がある。大悪党が死んだら喜ぶが、大悪党が股間を強打したら、「ザマァ!」とは、ならずに「うわ痛そう」と同情してしまうのだ。
ましてや、それを縛りあげたうえに切り取るという行為は、相当の精神力がいるのだ。
「すまん!」
リアーロは
「今回はこれで終了だ……」
切断面から出血し、しおれていくアレが視界に入らないようにしながら講義の終了を告げた。
「先生、ありがとうございました。クーちゃんお願い」
クーが分解して吸収するまで二人は目を背け続けたのだった……。
◆
ダンジョン素材採取教本 第1巻
著者ポラ、監修リアーロ
目次
第13項 オーガの角と弦筋と睾丸 ……51
初級 角の採取 ……52
中級 弦筋の採取 ……53
上級 睾丸の採取 ……54
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