第7話 2回目の訪問


その頃、真一は商売のことを考えていた。一

番の原因は、以前、買ってもらっていた会社

が六分の一に売上げが落ちた事だった。その

後、それ以来、色々なところに新規商品開発

でやらせてもらうように、お願いしたが、思

うように上がらなかった。祥子にも勧められ気分

転換もあるだろうと言われ、外国へ行ったので

あった。

直接的な貿易は、叶わなかったが、30年前

に取引していた貿易会社が再開してくれると

約束してくれていた。それから、可能性は、

ないと思っていた電気会社に営業をかけてみ

たら、思いもよらぬヒントをもらった。これ

で、以前のように売上げを二倍以上に上げら

れるかもと思った。一ヶ月は、直ぐにすぎた。


色々考えていたら、順子から電話が入った。

「ダーリン元気、戻ってきました。これか

ら、行きます。祥ちゃんは、元気」

「祥子も居るよ、今どこに」

「東京駅、これから平井に行きます」

「判った、着くころに平井にいく」

直ぐ、二階の祥子に声かけた。

「この前の順ちゃんが、来るってさ」

「判った。お茶くらい出すよ。何か外で食事

してきたら」

「有難う、お腹彼女が空いていたらそうする」

真一は、部屋の周りを見回して、散らかって

いないのを確認して、お茶を飲み駅に向かっ

て行った。

改札口で待っていると、改札口の向こうで



手を上げて順子がやって来た。

開口いちばん、


「ダーリン、元気」

「お帰り、荷物どれ、食事は」

「お腹は、大丈夫、」

「じゃあ、お茶する」

「三人でお茶したい」

「判った、それじゃうちに、帰ろう」

荷物を真一が持って、ゆっくりと話しながら

家に向かった。

「帰ったよ、順ちゃんも来たよ」

「お帰んなさい、お茶入れたよ」

順子も遠慮なく、

「有難う、直ぐに戴きます」

真一から仕事は、どうだった。と聞かれて、

順子は、フィンランドに行ってきました、と

言い、

「この時期ですから、真冬と違い、それほど

面白くはないですね。お客様には楽しんでも

らいましたが」

「雪が少ないので、楽しさは半分くらいでし

ょうか」

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