第15話

「とりあえずお疲れ様、俺たちには組立の作業が待っているので素早く説明するぞ」

あれから10日経ち昨日までに必要な本数の木材が全て揃い俺たちは設計図通りに組立てる作業を行うためにフリーが説明をしている最中だ。

「あのドラゴンたちが運んできてるのは一体何だ?」

「あれはなー建築するのに必要な足場とその他魔道具だ」

「カッケー、オイラもドラゴンに乗ってみてぇー」

「マジか、ドラゴンに人が乗ってるのってこの領しか見られねぇーんだよな」

俺たちはまだ完全に明るくなっていない空を見上げた。

たくさんのドラゴンたちがかなり重いであろう物をせっせと運んでくれている。

ドラゴンに乗っている人たちはドラン領の先鋭部隊の人たちであることは間違いなく、彼らがいるからこの国があの強大な王国や帝国などと肩を並べられているのだろう。

彼らもこんな朝っぱらから訓練や敵襲以外で出動するなんて思っていないだろうし俺たちの事情てこんな早く働かせてしまったことに少し罪悪感が湧く。

グレンは「朝っぱらからうるさいですよ」とラミスにチョップを食らわせてい

る。あまりに早起きだった為かグレンは少し機嫌が悪い。

「話の続きをするぞ、後の20日間はずーっと設計図を見ながらの組み立てをしてもらうために加工チームと組立チームの二手別れないといけない」

「なるほど、なんか設計図に難易度が書いてあるんだけど」

設計図に組立作業チームと木材加工チームとありわかりやすいように前者が鍛えられるで後者が超鍛えられると書いてある。

「リオルトいいだろ、超鍛えられる方をオイラたちでやろうぜ」

「おっ決まったらしいな、俺らは組み立てるから加工作業よろしくな」

「おいおいちょっと待てよ」

フリーがニヤニヤしながら俺の返事を聞かないで勝手にチーム分けを決めてしまう。畜生ラミスが好きそうな表記にしたのもこれを狙ってのことか、絶対ーきついじゃん。

俺はフリーの表情に嫌な予感を感じたがしょうがないなと諦めた。

それからフリーの話が再開した。俺たち木材加工チームは魔道具を使い加工作業を1日朝から昼まで決まった作業をするというかなりシンプルな内容だ。組立作業チームなんかは昼から夜までと俺とラミスが終わったあとに作業するのでフリーたちと入れ違いになり、グレンにとっては寝起きが少し悪いのでちょうどいいだろう。

全て説明が終わりフリーたちが帰った後、俺とラミスは手袋型の魔道具を装着して木材加工に移ろうとするとハチマキをしたおっさんに止められた。

「おいお前たち加工の仕方を知らないのにどうやって作業するつもりだ!」

「なんか大工さんみたいなのが来たぞ」

「あのーどちら様ですか?」

「俺はなー領主殿に建築を手伝って欲しいと頼まれたもんだ」

なるほど、確かに俺たちはこういうのやった事あるわけがなくボブみたいな例外はいるがフリーの親父がそう言うのに詳しい玄人を雇うのも自然の流れであろう。

それからおっさんからの指示通りに俺とラミスは作業をしていく。

たくさんの魔道具を使い木材を材木にしていくがかなりきつく魔力がどんどん吸われさらに筋肉に滅茶苦茶負荷がかかるため1時間ぐらい作業しただけで木を切る作業の一日分くらいのつらさがある。

「なんでこんなに辛いんだよ、少ししか働いてないのに」

「やべーオイラ死にそうだー」

「それはなーこの多彩な魔道具たちのせいだな」

おっちゃんの話ではこの加工に使う魔道具たちは作業期間を大幅に早めるために作られたものらしく、その分魔力を使う。

さらに俺たちは魔道具の手袋の他に色々な同じ類の道具を同時に使っているので魔力消費量がスゴイらしい。

「組立の作業はどうなんだ」

「たしかにオイラも気になるぜー」

「組み立て作業は重いものを持つために魔道具の手袋を使うが木の伐採と疲れるのは変わらないんじゃないか」

やっぱり俺の予感はあっていたんだ畜生、あいつらは簡単な作業をして俺らはこんな辛いことをするなんてマジ許さん。

その後もヘトヘトに働いてノルマの本数をやり終えた俺とラミスは無言で帰宅した。

「大丈夫か、ラミスが食事中にこんなにしゃべらない事見たことないぞ」

「父上に聞いたがここまでとは思わなかったぞ」

「今は静かにしといてあげましょう」

俺とラミスは無言でバクバクと大量に食事する中、こちらが一言も話さずいる事に驚いているようだ。

俺とラミスは好きなだけ食べたら二人揃ってシャワーを浴び各自睡眠についた。

















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