第13話
「こんなでかい土地をくれたのか」
「作りがいがありそうで、肩が鳴るぜー」
地図を頼りに目的地に着くと貴族の別荘を何軒か建られるぐらいに広い。
それを見てテーションマックスになった俺とラミスは大騒ぎだ。
「ここに私たちだけで拠点を建てるのはとても骨が折れそうですね」
「肉体労働をするのなら俺に任せろ」
気が遠くなるものを見るような目で土地を見るグレンとここに来る途中自己紹介をし合って彼の名前がボブだということがわかった。
ボブはあれからかなり元気になり俺たちと普通に話すようになった。
ボブが復讐に囚われてないか心配ではあるが、そうならないように俺たちがサポートすることができればなと思っている。
やる気に満ちた俺たちの前にフリーが立つ。
「これから俺たちがすることは拠点を立てることは当たり前だが、特訓も含まれているからな」
だからフリーの親父は拠点を作るには広すぎる土地を用意したのか。
「作り終えてる時には筋肉ムキムキだなー」とかラミスは言ってプラス要素に喜んでいるが、今考えれば拠点を作り終えるには何日かかるんだよ。
「俺たちには学園の問題を解決しなくちゃならない、よって1ヶ月で敷地いっぱいに建設しろと父上からの命令が下った」
マジか普通に考えたら無理だろー、なんでこうも各国の王様は無茶ブリが好きなんだよ。
ラミスは「大丈夫なんとかなるさー」とか言ってるけど、きつくねー。
「やっぱりこうなると思ってたんですよ」なんて言ってグレンはげんなりしてるし、ボブなんか「設計できる人いるのか」と新しい問題を提示してきている。
こういう時にラミスみたいに明るくいけたらないいのに。
「設計係決めて早速明後日から活動するぞ」
フリーはボブの肩を叩きながら「お前なんかやりたそうだな」と声をかける。
一見フリーが圧力をかけているように見えるがボブは「設計は得意だからいいぜ」と返事を返す。
どうやらボブのさっきの発言で彼が得意なのではないかとフリーは気づいていたみたいだ。
フリーは他人から強制されるのが嫌いだから他人にこれやれとか圧力をかけたりしないであくまで本人の意思を尊重する。
「今日と明日で設計図を書いてきてくれないか?」
「いいぜ、イカしたものを作ってくるぜ」
設計の話は固まったようだ。設計図を各時間があまりにも短い気がするがそれでもボブは大丈夫らしい。
あんなに傷ついていたボブがこんなに仕事を任されて休む時間がないのではと思ってしまうところが正直心配である。
「予定決まったんだろー、帰ろうぜー」
俺たちはここから離れてドラン家の城に戻った。
ちなみに俺たちラミスは学園に行けるようになるまでドラン家に泊めてもらえるそうでボブも同じ扱いになると思われる。
時間が飛びその日の真夜中に俺がトイレに行くとたまたまボブと出くわして「俺の部屋に来てくれないれ」と言われ彼の部屋にいる。
「何か俺に話したいことでもあるのか」
「おう、俺の決意表明っていうか、大事な話があるから聞いてくれ」
ボブはドラン家に用意された部屋のベットに座り真剣な表情で話し始めた。
「リオルトたちについていこうと思ってるけど、俺は家族を取り戻すために動きたい、だから迷惑をかけるかもしれねー」
「なんだそんなことか、そんなもの俺たちがいればすぐだろ」
俺の言葉を聞いて真剣な顔から笑顔に変わる。
ボブがちゃんと割り切れていることが分かり部屋の角で寄っかかりながら安堵の息を漏らす。
良かった、ボブが復讐に囚われてないか心配だったが俺の思い過ごしだったな。
ボブは机に移動して設計図を描き始める。
「これを見てくれ、ほとんど設計図はできているんだ、リオルトの意見を聞かせてくれ」
いきなり話が変わったなと思いながらボブの近くにより「何かいいものできたのか」と尋ねるといきなりこちらに向き拳を出してきた。
ボブは「これからも仲良くしようぜ」と言ってきたので自分の拳を彼の拳にぶつけて「こちらこそ」と返す。
それからボブが描いたいたものを見ながら自分の意見を付け足し眠くなった頃に俺は自室に帰った。
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