第6話
「僕のリオルトはどこにいる!?」
リオルト君たちがドラン領に行ってから一日が経ち、この国を治めている現国王ロランがここに来た本当の目的を口にした。
リビングで妻のリーゼが隣の席に着き現国王ロラン陛下が私の正面に座っている。
城に入った途端ロラン陛下は慌ただしくキョロキョロと不審だったのはリオルト君を探していたのだろう。
「残念ですが、王子は昨日ドイ君が自分の国に連れて行かれましたよ」
「なんだと・・・・・・・ドイのやつ、あいつの国に突撃してでも」
ロラン陛下は「俺の8年を返せ」と黒いオーラを放ちながらブツブツと愚痴を言い始めた。
いけない、ロラン陛下がこのままでは単独でドイ君のもと向かいかねない、どうにかしなければ。
私は納得してもらえるように国の情勢を持ち出し、諦めてもらうことにした。
「しかし、今の王国では王子を王族として向かい入れてはくれないでしょうし、陛下がそんなこと一番知ってるでしょうに」
「そんなのわかってる、ただ僕の苦しかった時期を考えてくれ」
(あ~あ、モードに入っちゃたよ)
テーブルに指を当てて「会いたい会いたい」と涙を流しながら子供のように駄々をこね始めたロラン陛下を見ながらどう説得しようか私は考える、わからんどうすればいいのだ。
私は隣にいるずっと沈黙を貫いていた妻のリーゼに助けてくれと目線を送る。
「リオルト君ならオーレス騎士学校に入学するとドイ様から聞きましたわ」
「そうか、その手がありましたな、ロラン陛下今の話聞いておられましたか?」
「よし、僕のリオンをそこに入学させればいいんだな」
ロラン陛下は「授業参観」と言いながら鼻歌を歌いだした。
リオンとはロラン陛下の息子で王都では子供向けファション雑誌に載るくらい顔が整っていて可愛いと評判だ。
私は何故ロラン陛下に何も言われないのだろうか?それが気になり聞くことにした。
「私に何か言うことはないんですか?」
「ないぞ、11年間お前が育ててくれたんだから間違いはないと思うし、どうせリーンの仕業なんだろ」
ロラン陛下は変人で子供みたいな一面があるがやはり、頭がきれるお方なのだ。
私はそんなロラン陛下とリオルト君を重ねて見えてしまっている。
リオルト君いずれここに最愛の息子と戻ってくるのを楽しみにしてるよ。
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