第5話

「いい加減起きてください、いつまで寝てるつもりですか」

「あれ見覚えがある場所だ・・・・俺盗賊と逃げていたはずなのに」

「記憶が曖昧なのですね、あなたは逃げる愚か雷を落として盗賊たちを撃退したじゃありませんか」

肩を揺らされて目が覚めた俺は自分が寝ていたベットに座りながらグレンと会話したおかげである程度今の状況を整理することができたが疑問が浮かんだ。

何故あの場にいなかったグレンが俺が雷の魔法を使ったなんて知ってるんだ。

盗賊が俺に言ってきたことも気になるし、あともうちょっと情報が欲しいな、そうすれば理不尽な仕打ちを受ける理由がわかるかもしれないし・・・・考えてもわからん。

「早く、父上のところに行きましょう」

(こいつ、無視かよ)

でも何かグレンの様子が変だと感じるのは俺の勘違いか。

この部屋を出て馬鹿長い廊下を領主のおっちゃんがいる部屋まで歩いていると先程と違って気まずそうにグレンが話してきた。

「俺はリオルトお前が酷い仕打ちを受ける理由を知っていたのにずっと秘密にして話さなかった」

いきなり、俺にとって衝撃の事実を伝えてきた。

昔のように荒い言葉使いに戻ったグレンにびっくりしたが何か理由があるのだろうと思い続きを聞くことにした。。

「親父の口からリオルトの事情を知った後の日々でいつでもお前に言うことを出来たけどよー・・・・」

辛そうに胸の内を語るグレンに俺は心が痛くなった。

俺が「それで」と言うと少し言葉に詰まっていたグレンは泣きながら話を再開した。

「頑固でどこまでも真っ直ぐなお前はこの事を知ったら俺を置いて遠いところに行っちまう気がして、言えなっかたなんて理由にならねーよな」

「俺の夢はパルドの英雄になることだからそこにグレンがいないとダメなんだぜ」

「やはり、あなたは器が大きい人ですね」

グレンは俺の返答を聞いて照れながら笑を浮かびながら手で涙を拭い取った。

本当に切り替えが早いな、でもグレンのこんな表情を見れたのでいいとするか。

この流れで行くと気になることがわかるかもしれないと俺は少し気を引き締めた。

領主のおっちゃんがいるであろう部屋の扉の前まで来て俺は深呼吸をした。

「心の準備は出来ましたね、では開けますよ」

「やっと来たか、待ってたぞ!」

「こら、リオルト君の首がしまってしまうだろう!」

「すまん、つい嬉しくてな」

グレンが扉を開けた瞬間、中から無駄にイケメンなおっさんが現れハグしてくる、そのせいで首がしまってしまい死にかけた俺を後から来た領主のおっちゃんが止めに入り助けてくれた。

「これから大切な話があるのでそこに二人は座って欲しいのだ」

領主のおっちゃんが指定した四人用のソファーに一人の青髪の少年が座っていた。

俺たちに手を振って「早く座りなよ」と人好きしそうな笑を浮かべながら声をかけてきてかなりフレンドリーな少年なんだとわかる。

「お隣失礼するよ、君とは気が合いそうだよろしく」

俺が隣に座り握手を求めて手を出すと青髪の少年は目を大きく開いた後嬉しそうにしながら手を握ってくれた。

俺たちが握手をし終わったのを見計らってグレンは座った。

「ウム、話しを始めよう・・・・・なんとなくわかっているといるだろうが話の内容はリオルト君のことだよ」

「そんなのどうでもいいから、結論から話したほうがいいんじゃねーの」

「一から説明するよりかそっちのほうがいいかな」

領主のおっちゃんの話が長くそうなのに気づいて無駄にイケメンなおっさんが俺たちに気を使って短い話で俺たちに伝わるようにしてくれた。

「結論から言うとリオルト君、君は帝国の女帝リーンと現国王ロランの息子でね、君のことをリーンから預かったんだよこの手紙と一緒にね」

「王国の連中は帝国に攻め込まれて恨んでるからな」

「なるほど、そいうことか」

俺が知りたかった事が聞けて満足している中、青髪の少年は口を開けたまま固まっていた。

俺のあっさりとした態度に領主のおっちゃんは疑問に思ったようだ。

「驚かないのかね、君の親のことで」

「親がいることは嬉しいけど、俺の目標は王や皇帝になることじゃなくパルドの英雄になることだからあまり関係ないぜ」

領主のおっちゃんは俺の言葉に「私たちは君に酷い仕打ちをしてきたのに・・・」と下を向きながら泣き始め無駄にイケメンなおっさんが「良かったな、これでこの領地は安泰だな」と指を顎にあてた。

確かに親がいて二人共偉い地位にいることに少しびっくりしたが別に俺の目標を達成するのとは関係ないからな。

息を切らしながらパルド家の騎士が急いで手紙らしきものを持ちながら入ってきた。

「王から緊急の手紙が届きました」

「内容を簡単に説明してくれ」

「王宮であなたが帝国につながっているのではないかと疑いがかけられているようで王が明日直々に会いに来るようです」

俺たち子供にどよめきが走るが大人の二人は動揺せず「どうせ、6年間会えなかった息子に会いに来たいだけだろ」と笑い始めた。

「あのだな、王国は帝国を恨んでいる人が多いだから君が王族に戻ると現国王のロランの地位が危ないのだ・・・・・・・・」

「王はなスゲー我がままで多分お前にあったら後先考えず連れて帰ろうとするだろう、そうなったらまずいからうちの国にこないか、もちろん4年後には自由に帰って来れるようにするからさ」

無駄にイケメンなおじさんは相槌をしながら名案とばかりに俺に提案してきた。

領主のおっちゃんは慌てて「そんなことできるはずないわ!」と怒りだすとすかさず「この領地は俺の国に限りなく近いからドラゴンで」と無駄にイケメンなおっさんは言い返した。

「その条件なら乗りますよ」

俺はドラゴンという言葉に興味が惹かれ提案に前向きな姿勢を示した。

4年間経てばきちんと自由に帰って来れるらしいし、領主のおっちゃんに迷惑をかけないためにも移動したほうがいいと俺は思う。

領主のおっちゃんは目を閉じながら決心した表情になり「グレンあっちでもリオルト君を守るのだぞ」と息子に声をかけ提案に賛同した。

「じゃー早速行きますか、我が国へ!」

嬉しそうに「やったぜー」と廊下に出て言ってしっまった。

それを急いで青髪の少年が「また後で」と俺たちに声をかけて追いかけていった。

「後のことは私に任せて二人共早く行きなさい」

俺はここを出るなんて考えたことなかったから一回も感謝の気持ちを伝えたことはなっかたが伝えるなら今だと思い感謝の気持ちを口にした。

「今まで育ててくれてありがとう、強くなって帰ってきます」

俺は伝えたあと外にグレンと一緒に出た。

俺はグレンに何も言わなくてよかったのかと聞くと「私はまた帰ってくるのでいいんです」と返答が返ってきた。

俺たちはもう少し時間が経ってからドラゴンに乗ってドラン連合国に向かった。

















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