第4話
一週間後にグリーツ王国の王都で現国王と食事会する予定を控えた俺は親友のダンの家を宿にすれば寝坊してもドラゴンならすぐに着くし丁度いいやと本人に許可を取らずに息子を連れて相棒のAランクモンスターであるホワイトドラゴンに乗りパルド領に向かった。
ちなみに王様には王国に入る許可を取っているので大丈夫である。
「久しぶりにここに来たぞ、どうだいい街だろう」
「そうですね、やはり王都に次ぐ都市だなんて言われているのもうなずけますね」
俺たちは完全に観光気分でいるため領の入口にある移動用モンスターを預けられるところで相棒を置いて街を探索しようとしていた。
「いきなり曇りだしたぞ、どうなってるんだ」
他の領からここに商売しに来ているのかここの人と少し違う格好をした商人が空を見て驚いていた。
快晴だった空がどっから湧き出したかわからない分厚い黒い雲に覆われ「ビリビリ」と音が鳴りだし次の瞬間「ドカーン」と雷が落ちた。
「嘘だろ、王族は今日は誰ひとり王都から出てないはずなのにどうして・・・」
この魔法は王族しか使えないはずだがうちの超優秀な情報員に間違えがなければ使用した人物が他にいるはずと頭をフル回転させ行方不明になった元王位承継権位置だった子がいたと思い出した。
確かに死んだとされてはいるがそれは、あの子が何者かに攫われて見つからなかったことが原因である。
「すまんが、さっき預けた相棒を連れてきてくれないか」
「分かりました、あんたいい男だからお金は今回チャラでいいよ」
「本当かい、それはありがたいね」
いやー顔の出来が良くてよかったよ、でもどんなに顔が良くても振り向いてくれなかった初恋の女性の笑顔が頭に浮かんだ。
まーそんなことよりも、魔法を唱えた人物は確実に王族の血が流れてるしそれに、攫われた子なら連れて王のところに行けば王国と我が連合国との関係がさらに強くなる。
本当のところは親友である王が笑うところが見たいのが本音かな。
「何そこで固まってんだ行くぞ、相棒に乗れ」
「もしかして雷が落ちたところに行くんですか」
俺の後ろに乗った息子のフリーは行き場所について聞いてきた。
「この流れからして・・・・・・あれ、お前って王族の魔法のこと知ってるのか?」
「家にある本棚を読み尽くしたのでそのくらいは分かります」
さてはこいつ、驚いて固まってたのではなく興味を惹かれて目が離せなくて動けなかっただけだろ。
ほんとにさー勉強や本を読むのが嫌いだった子供の時の俺と比べてなんて出来のいい子供なんだろうか、マジで俺の子かと疑うレベルだな。
俺は「飛ぶぞ」と声を発した後雷が落ちたところに向かった。
「ここらへんで間違いないはずなんだけどな」
「お父さんここ見てください、コンクリとの道が焦げてます」
俺たちは街外れの人気のない場所を相棒に乗りながら上から見下ろしていた。
息子が指を刺したところに行くと20人の盗賊が皮膚が火傷した状態で倒れていた。
「お父さん赤髪の男の子が倒れています」
(なんで赤髪が王国にいるんだ)
俺は急いで倒れている子供のところに向かった。
俺は嫌な予感を感じながら少年を抱きかかえ顔を見る、学生時代好きで好きで仕方がなかった初恋の相手リーンの寝顔にそっくりだった。
「お父さん背中に何か書いてあります」
急いで確認すると二つの紋章が刻まれていた。
おいおいおい嘘だろ、皇族と王族の証である模様が背中に存在がある時点で嫌でも気づいてしまう。
「とりあえず、この子に死なせられない理由が出来ちまったな」
そういえば、息子が何か企んでるオーラを感じるが大丈夫・・・・だよな。
ダンは回復魔法に秀でていたよな、よしすぐに向かわなくてはな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます