3話
「今日はご馳走だな」
俺は昼と夜のおかずを何にするか機嫌よく扉を開けた。
「お頭、出てきましたぜ」
「よし、その小僧を捕まえろ、これがうまくいけば俺たちは安泰だぜ」
俺は昨日領主のおっちゃんと約束した野菜を貰いに家の外に出たのだがならず者みたいな奴らが短剣を持って待ち伏せしていた。
いいことが日に人生最大の危機を迎えなきゃならないんだよ、マジで思うけど俺さ、何もわるいことしてないのになんでこんなに神様に見放されてるんだよ。
「ちくしょう、俺はもう神様なんて信じないぞ!」
「なんて速さなんだ、まだ小さな子供なのに俺の足よりもいというのか」
足に自信がある俺は走りだし盗賊と距離が少し離れこれなら逃げきれると思った瞬間背中に鋭い痛みが走りその拍子に転んでいまった。
「危ねー、マジで足が速くて仕事に失敗するかと思ったじゃねーかよ、」
「さすがお頭ですね、ナイフ投げて当てちまうとは」
「ははは、嬉しこと言ってくれるじゃねーか!」
盗賊たちは油断している、逃げるなら今だと思い右手でナイフを抜きそれを持ったまま全速力でまた走り出した。
「あいつ動けたのかよ、まてこら」
俺は命の危機を感じながら無我夢中で頭が真っ白になりながら逃げていたら奴らの仲間らしき20人相当の盗賊と運悪く出くわした。
「赤髪っていうことは、依頼された少年でいいんだよな?」
「お頭たちは何をしてるんだ、まぁいい捕まえるぞ!」
一人の男の言葉で盗賊たちが一斉に少年に迫った
(俺捕まるのかな)
(いつも、友達でいてくれたグレンと優しくしてくれた領主のおっちゃんに恩返しできてないし街の人たちに恩返しできてない)
(ここで諦めたら恩返しできないじゃないか、俺は絶対パルドの英雄になるんだ)
もうダメかもしれないと一瞬捕まることへの諦めがよぎったが、英雄になりたいと言う夢が俺を奮い立たたせた。
血の出過ぎでクラクラする中で俺は先程抜いた盗賊のナイフを右手に持ち構えを取った。
「おいおい、ナイフに宿ってるの雷じゃないのか」
「赤髪のお前が何故王族に伝わる魔法を使えるんだ!」
「赤髪って帝国の皇族のあかしのはずだよな・・・どうして」
(嘘だろ、俺魔法なんて習ったことないぞ)
気づいたらナイフからバチバチと黄色いものが宿っていた。
ナイフに気を取られていた盗賊たちは我に返りまた迫ってくるのに焦り俺はナイフを強く握った。すると、「ビリビリ」と空から音がして次の瞬間「ドカーン」と激しい雷の音が鳴り響いた。
「なんだこれ・・・・眠い」
俺は血の出過ぎで気を失ってしまった。
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