第2話
今、俺は憎しみで赤髪の少年に石を投げつけたが、我に返り考えたら疑問が浮かんだ。
何故この領地に帝国の皇族の証である赤髪をした少年がいるのだろうか、その謎を知るために通りすがりの女性に話を聞くことにした。
「すみません、あの少年は何故王国内にいるのに捕まらないのですか?」
「何故でしょうね、だけど8年前からいて領主様の息子さんと遊んでいるところをよく見られるし、私は城によく出入りしているところもよく見るわ」
「馬鹿、その話を外の人間に漏らしちゃいけないルールがあるだろう!」
女性の発言を聞いた近くにいた男が大声で女性を叱る、おっとここは引いた方が良さそうだ。
しかし、領民に口封じをしている時点で、ここを治めているパルド家が黒だと判断できるし、8年前といえば、帝国が王都に攻め入った時と重なるしこれは手柄を立てるチャンスだ。
「情報提供ありがとうございます。王にこの事をつたえさせてもらいますよ、おバカさん」
「そんな私、領主様のこと蹴落とす様なことをするつもりじゃなかったのに」
嘆いても遅いわ、外部の人が入ることを禁止されている領民の住居に侵入して良かったぜ、これで俺も貴族入りだと思いながら走り去っていく。
息を切らせながら抜け道を通り自分が商売しているスペースに戻ってきた。
急いで身支度をしながら自分の部下にあの赤髪の少年を捕まえるように30人くらいの盗賊団を雇わせ馬車に乗り王都に向かった。
捕まえるのに失敗したとしても部下とは関係ないと言えばいいだけだし、パルド家の人にバレたとしても王に書簡届ければ俺はその頃には身の安全を保証されてるだろうからどうってことないのだ。
俺は馬車の中で王に届ける書簡を書きながら笑が止まらなかった。
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