第7話 ヒト

他人の輪の中に わたしはいない


感覚が違うわたしの言葉は

摩擦係数がないかのごとく 上滑る


口を閉ざして意味なく笑えば 

空しさだけが募り

くたくたになった心は

理由なく涙を流す


みんなの姿の後を追えば 

目的地が分からず 容易く見失う


幸せだと暗示をかけながら

必死に普通を探し求めた


わたしを見失いながら


人として生きたかった わたしを

そっと抱き締めるの よくがんばったねと

意味があっても なくても

足掻いた事実は変わらないから


人にはなれなくても

わたしは

ホモ・サピエンス・サピエンスで

有性生殖で誕生した ヒト


ヒトは 生き残るために有性生殖を選択し

ひとつとして同じものがない遺伝子を作り上げる

わたしはその中のバリエーションのひとつ

他との違いは ヒトとして当然の帰結


例え世界に溶け込めなくても

地球の生物多様性は わたしを受け入れている

この今に存在することだけが ヒトとして意義


他人の輪から離れて

楽しいときに 心から笑おう

わたしの行きたいところに 向かおう

そして 本当の幸せを 見つけよう






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