第5話 気持ち

からだのキモチを 考えて 生きたい

からだはいつも働いている 生きている

こころはいつも何のために 生きているのか


こころから 一番近い からだ


岬に立つ灯台が 航行中の船舶のために光を放ち

足下の大地を照らさぬように

こころは 外側の事象へ思いを馳せる


本来 からだを守るために 

外へ向かう役割を与えらた こころは

時とともに目的を忘れ 精神論に染められて

からだに無理を強いる 強いてしまう


からだの悲鳴を 聞いていなかったのか

耳を塞いでいたのは わたし


世界は目まぐるしくて

必死で泳いでいたつもりが

溺れてそれに呑み込まれて

そして ぽいっと吐き出された


ああ 世界はなんて 無慈悲なのだろう

離れて初めて 世界の歪さに気づく

そして 不思議と 安堵した

ようやく 初めて からだを想った


大丈夫 忘れたなら 思い出せばいい

からだは 後悔や贖罪など望まないから

ただ こころとともにいたいだけ

こころも からだとともにいたいだけ


物事には 遅いも早いも存在しない 

物事は ただ そこにあるから


からだへ いつもありがとう と思いながら

からだと一緒に 眠ったら

ありがとう と聞こえた気がした






 


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る