第3話 重要なルール

辺りはどよめいた


無理もない 先程まで 最も目立っていた大柄の男が

目の前で弾け飛んだのだから


周囲に飛び散った肉塊に目をやる者もいれば、

奥の異形いぎょうな者達に目を向ける者もいた


般若はんにゃの面の男はポリポリと頭を掻き

ゆっくりと話し始めた




『ルール説明するからね


時間無いのはこっちも一緒、我慢してるの君たちだけじゃ無いんだからさ その辺は理解してもらわないと』


しゃがれた声、 しかし、拡声器のような物を使った 甲高く聞きにくい声といった印象


中年男性は間を空けずにすぐさまルール説明とやらに入いった


『これより この背の高いビル以外何も無いエリアに この赤ちゃんを50体解き放ちますよぉ!


さっき見て貰ったから分かると思うんだけどぉ

この子たちは君たちを容易よういに殺せる手段を持っていまぁす!』


『十人十色の個性がありぃ

赤ちゃんによって強さや攻略法が異なりますです!』


こ、攻略法?まるでゲームみたいなこと言うじゃねぇか


カケルは震えながら手を強く握り 肉塊から目を逸らす


これは夢だ、 そう思っていたいカケルであるが

夢なのか現実なのかを判断する方法は今のところ無い


猿夢という有名な都市伝説がある


大雑把に説明すると

夢の中で死ぬと現実世界でも連動して死ぬ

というものである


もしこれが猿夢に類似するものだとしたら

もしこれがゲームや漫画にあるデスゲームなのだとしたら


まさかな…

いつもの悪い癖、変な事に関連付けて自分を追い込む

悪い癖…


………っ!


カケルはある事を思い出す


揺すられた感覚と背中を殴られた感覚…


ゾクッとカケルの背筋に何かが走る


悪寒おかん、それは死が近ずいている前兆を

本能的に察知したとしか思えなかった


『赤ちゃん、そして君たちには それぞれ連動した番号が振り分けられており!

対応する番号を持つ赤ちゃんが死ぬと、

対応する番号を持つ参加者には心強~い能力(アイテム)が支給されますぅ!』


『能力(アイテム)は今後 あなた方の相棒となりますので

率先して獲得することを 強く、強ォく オススメします!』


『皆さ~ん、自分の番号を持つ赤ちゃんをいち早く殺して

この門(ゴールゲート)をくぐって下さいね~

じゃないと死んじゃいますからね~』


『もちろん一体も殺さずに門(ゴールゲート)をくぐってもいいですが、その選択は必ずや後悔することになりますからね』


『それでは第1ステージ…』


『選別(ベビーシッター)スターーートッ!!!』

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