校外学習・・・(1話)

 「明日は校外学習が近づいているね。今年はどこに行くんだろう。

  去年は山梨だったんだけど今年は京都らしいよ!舞妓さんみたいなー!」


 真子は探偵部の教室で独り言を言っていた。


 「俺は舞妓さんより八つ橋が食べたい。さくらと翔は何は校外学習で楽しみな

  事とかあるか?」


 「彰は食べ物目当てでしょ?私はやっぱりお寺をみたいな・・・京都は日本の

  歴史を知ることができる大きな場所だよ!そう思うでしょ?翔?」


 「僕もそう思います!」


 さくらと翔は学年トップを争う程の学力の持ち主、要するに食べ物とか全く興味がないらしい。


 「さすが翔とさくら。彰とは大違いだね。でも私達の学校って校外学習が旅行

  なんだよね・・・。修学旅行もあるのに校外学習も旅行だなんて学費どれだ

  かかっているんだよ。」


 探偵部の四人は教室でそれぞれ校外学習について話していた。


 

 「校外学習では事件とか起きないでほしいよね。校外学習くらい普通に楽しみ

  たい。」


 「本当にそれ・・・。校外学習で京都なんてそんなにないよね。私達は千葉に

  住んでいるから京都は修学旅行で行くのが普通だと思っていたんだけど。

  私達の修学旅行がアメリカなんて他校の友達に言ったらびっくりされたよ。

  どこの金持ちだよってね。」


 そんなことをいろいろ話、校外学習の準備をした。


 そして校外学習当日・・・


 「よっしゃー。今日は校外学習だ!皆楽しもうぜ。」


 「彰、はしゃぎすぎ!まー私もものすごく楽しみなんだけど!」


 「お寺巡り早くしたいな。」


 「皆!今日は待ちに待った校外学習ですよ!ただ遊びに行くのでなく勉強を、

  しにいくんですよ!特に矢野さん!昨日八つ橋が食べたいとか言っていたん

  ですってね!ちゃんと歴史について学ぶんですよ!」


 その瞬間バスに乗ていた生徒全員が爆笑した。


 「先生!俺のことを言うな!」


 彰は顔を真っ赤にして先生に怒鳴りつけた。


 「ごめんごめん!矢野さん!」


 そんなことで皆が笑っていると誰かが


 「皆!カラオケしようよ!」


 誰かがそういうとカラオケが好きな真子は


 「良いね!私〇〇の曲歌いたい!」


 「バスガイドさん!カラオケやりたいです!」


 そしてバスガイドさんにカラオケを要求してクラスメイトとカラオケをやり始めた!しばらくして事件は起きた。


 「ねね誰か私のシャーペン知らない?」


 最初はただのなくしものか忘れ物かと思ったかどうもそうではなかった。


 「私のストラップがない。」


 などクラスメイトの私物がどんどんなくなっていった。共通点は貴重品を先生に預けた生徒だけ、私物がなくなっていたらしい。


 「あ・・・。」


 一人の生徒が声を上げた。


 「どうしたの?」


 「私のバックの中に皆が探している私物がすべて入っているんだけど。」


 「もしかして盗んだの?」


 しかしバックの中に他人の私物が入っていた生徒はとてもまじめな性格でとても盗みを働く生徒ではないことを誰もが知っていた。


 「それじゃいったい誰が・・・。」


 「犯人なんて簡単だよ!ね!バスガイドさん!」


 「え・・・?何を言っているの?矢野君?だっけ?私は今日会ったばかりの

  バスガイドだよ。」


 「簡単だよ!貴重品を先生に預けてからバスに乗る仕組みだっただけど、

  バスガイドさん。あなたは俺達の荷物を一つ一つ受け取っていったよね。

  その時に適当に金目になりそうなものを盗ったんだよね。」


 「・・・。ばれちゃったか・・・。」


 そういってバスガイドさんは帽子を静かにとった。


 「私はただものを売るためだけに盗ったんだよね。」


 「でもどうやって?簡単だよ。盗られた人貴重品を預けた人全員バックの

  ファスナ開けたでしょ。その時にそっととってポケットに入れたんだ。」


 「矢野君すごいね。そんなことまでわかるんだ。」


 「バスガイドさんどうして・・・。」


 「警察に行くね。私が盗んだものは私のバックの中

  入っています。皆さん。申し訳ありませんでした。」


 そういってバスガイドさんはバスをおりていった。そして運転手さんが


 「学生の皆さん。先生方。本当に申し訳ありません。明日には変わりのバスガイドをこちらに呼びます。」


 そういって運転手さんは静かにスピーカを置いた。


 「よし!気持ちを切り替えてカラオケをやりません。」


 そしてカラオケをやっているといつの間にかホテルに着いた。

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