第2話 埋められた死体

 ある日の放課後、彰たち探偵部メンバーはソファーに腰を掛けながら優雅に紅茶を飲んでいた。


 「なんか事件でもおきないかな。この前の旧校舎の事件以来全然事件が起きないよな。」


 「事件が起きないのは平和ってことなの。そんなこともわからないの馬鹿!」


 相変わらず真子は口が悪い。


 「真子は口が悪すぎるよ。もう少し女の子っぽくしないと。」


 さくらに言われて真子はムスッとしながら紅茶を飲みほした。しばらくするとドアの外から

 トントン・・・トントン・・・


 「やっと事件が来た。どうぞお入りください!」


 「失礼します。」


 そういって入ってきたのは生徒会長だった。


 「生徒会長がどうしたんですか。」


 「実は私の家にこんな手紙が来てね。」


 そういって渡された紙には奇妙なことが書いてあった。


 「🏫〇の白い部分に生徒が⛰」


 「なにこれ。」


 「俺わかったよ。簡単じゃん。🏫は学校。〇の白い部分は中に、生徒はそのまま生徒、⛰は埋まっている。つまり学校の中に生徒が埋まっているって意味・・・って死体が埋まっているってことじゃん!」


 「そうなの。私もそうやって読んだんだけど誰がどんな目的で私にこれを送ってきたのかわからないの。そこであなたたちにこれを解決してもらいたいの。」


 「これは僕たちよりも警察に言った方がよいよ。もし本当に死体が埋まっているのならニュースになるよ。」


 「私も警察に最初は言ったんだけど取り合ってもらえなく手…。あなたたちなら何とかしてくれるのかなって思って。」


 「わかりました。この事件俺達が調査します。」


 俺がそういうと生徒会長は帰っていった。


 「まずどうしようか・・・。本当に死体が埋まているとしたらまずいよ。」


 「とりあえず図書館に行って大量の新聞を読もう!当時行方不明になった人とか、あとなんで生徒会長の家に手紙が届いたのかも知りたいし。」


 俺がそういうと他のメンバーはうなずいた。そして俺たちは図書館に向かっていった。


 「俺と翔はこの棚の新聞を見るから真子とさくらはあっちの棚の新聞を調べてもらってよいか。」


 「了解!」


 そして俺たちは調べ始めた。


 「ちょっと皆この記事を見て!行方不明の記事を見つけたよ。」


 俺は皆を呼んだ。その記事にはこう書いてあった。


 ある生徒が20年前行方不明になった。犯人はいまだに見つからず、だそうだ。


 「ってことはその親かなんかが生徒会長に探してほしいって思っているのかな、でもなんで生徒会長になんだろう・・・。もしかして生徒会長じゃなくて本当は生徒会長の親に送られてきた手紙だったとか。」


 「もしそうなら行方不明になった生徒と生徒会長の親の共通点を見つけないと。とりあえず生徒会長のかぞくに ついて調べるから行方不明になった生徒の名前や住所とかを真子と翔で調べてもらってよい?」


 「了解!とりあえず当時からいる事務員に聞いてみない?私知っているんだよ。いつも受付にいる金倉事務員なら何か知っているかも。」


 真子と翔は事務室まで聞きに行った。その結果20年前行方不明になった生徒の名前は沢木夏奈さんだということが分かった。当時沢木夏奈さんはいじめに会っていた。先生たちはいじめがあったことを隠していたらしい。


 「もしかしてその時の沢木夏奈さんの担任も先生が生徒会長のお父さんなのかも。」


 「なんで生徒会長のお父さんがその時の担任の先生だってわかったの、金倉事務員が言っていたの?」


 さくらが二人にそのことを聞くと二人は同じタイミングでうなずいた。


 「俺達は行方不明になった沢木夏奈さんの家族構成とか調べてきた。しかしすでに良心共になくなっていて親戚の人もだれもいなかった。多分あの手紙は行方不明になった沢木夏奈さんの家族とかじゃないと思う。なあ、ずっと思っていたんだけどあの手紙簡単すぎじゃなかったか。もしかして子供が書いたのかも。」


 「ねえ。もしかして生徒会長が沢木夏奈さんのことをなんらかの形で知って手紙をを書いて自分の家のポストに入れたとしたら?もしそうなら沢木夏奈さんを埋めたのは生徒会長のお父さんかも。」


 「もしそれが本当なら警察に言った方がよいよ・・・っというか言わないとだめだと思う。」


 「そうだよね・・・。しかも生徒会長のお父さんってこの学校の理事長だよね。とりあえず生徒会長を呼んで手紙のことを確かめないと。」


 真子が生徒会長を飛び出した。


 「どうして私を呼び出したの。何かわかったことがあるの。」


 「実は手紙のことでお伝えしないといけないことがありまして。」


 「生徒会長。あの手紙を書いたのはあなたですよね。あまりにも簡単すぎました。あの手紙ただ絵文字と文字で作られただけの手紙でした。本当に相手に恨みを持っていたりするのであればもっと手の込んだ手紙を作るはずです。もしかして生徒会長。あなたはお父さんが犯人だと思っていたんじゃないですか。20年前行方不明になった沢木夏奈さんはいじめに会っていた。担任の先生をはじめ学校の先生はいじめを隠蔽しようとした。生徒会長はなんらかの形でお父さんの犯行の事を知ってあの手紙を書いたのではありませんか。」


 「さすがね。矢野彰くん。お父さんがお母さんと話しているのをいいたの。20年前沢木夏奈さんという子がいじめにおあっているのにお父さんは祖rを隠蔽しようとしたんだって。どうしてもそのことをした状態で理事長を続けてほしくなくて。」


 「そうだったんですか。今の内容は録音しておきました。こちらを警察に届ければ調べてくれると思いますよ。」


 後日生徒会長のお父さんは死体遺棄の疑いで警察に捕まり理事長をやめざる負えなかった。取り調べで新校舎のすぐそばの桜の木の下に埋めたことが判明した。警察が調べた結果女子学生の白骨死体が見つかったらしい。DNA鑑定でそれが沢木夏奈さんであることが分かった。


 いじめのすえ殺して死体を遺棄していじめを隠蔽したなんて・・・


 「教師って良い人ばかりかと思っていたけどいじめを隠蔽したりする人もいるんだね。」


 「それでも教師がいないと俺達は大人になれない。難しいね。世の中って。」

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