第14話 初めては優しくしよう
「あの、エレムって何ですか?」
漸く息が整い、先程から気になっていたエレムについて尋ねる。
「……先に教本を読ませるべきだったな。部屋に何冊か本が届けている筈さ。戻ったら読むといい」
「いやいや、今教えて欲しいんですけど⁈俺今そのエレムってのの為に酷い目にあったばっかなんだけど!」
「酷いとは失敬な...君の為にした事だ」
「そうなんでしょうけど!わかってるけど!めっちゃ痛かったし!かなり怖かったよ!」
「まったく、君はまるで子供のようだ。いや、実際子供か。いいだろう、これもマオに貸しだ。僕自ら教鞭を振るってやろう」
弱ってフラフラな俺を気にせず話し始める。
「まず、初心者の君には、基礎から話そう」
正直さっきの攻撃?で頭がハッキリしないが、何とかミンさんの話を脳みそに叩き込んだ。
自己解釈すると、たぶんこういう事だ。
エレムとは、魔力の事で、人間は本来エレムを宿さずに産まれてくるから、自然界に漂う精霊の力(エレム)を借りてる。
なので、無理に力を行使すると、キャパオーバーになり、力に呑み込まれて人ではなくなってしまう。らしい。普通に怖い、人じゃなくなるって何だ、廃人?的な?それとも醜く恐ろしい姿に!とか?どちらにせよ遠慮したい......
更に、人間が使えるエレムは、一般的には土属性のモコシュという精霊の力らしい。
そもそも、精霊たちは人間にあまり友好的ではなく、唯一モコシュだけは、大昔から人と共存してきたらしい。精霊は繊細で扱いが難しいのだそうだ。
この世界には人間の他に亜人種がいて、エルフ、鬼、獣人が現存する種族らしく、大昔には人魚やドワーフもいたが、絶滅したらしい。
この亜人種たちは、俺たち人間と違い、魂に精霊を宿しているので、他から借りなくても、自分の中のエレムを使うことが出来る。
しかも、エレムが、その辺の精霊よりも強力で、人間との差は歴然。それに対抗すべく、各国に研究施設が存在していて、日々人間たちも精進しているらしい。
てか、エルフとか獣人とか!激アツワード満載なんだけど!
エルフ=美少女
獣人=美少女
だろ!
今時鬼も基本美少女の流れだけど、討伐とかってことはやっぱゴリラみたいなのがでてくるのかな、やだなぁ。
それと、各種族ごとに、エレムの性質も異なるらしく、
エルフは木属性で精霊はレーシー
獣人は土属性で精霊はモコシュ
鬼は火属性で精霊はスヴァルグ
レーシーは治癒能力や雷
モコシュは強化能力
スヴァルグは炎
を操る
他にも
水属性のルサールカは水
金属性のスヴェンは特殊能力
ちなみに
人魚は水属性
ドワーフは金属性だったらしい。
見てみたかったなぁ人魚、、人魚といえば美少女に間違いないし……無念。
他にも色々あるらしいけど、俺の限界を察してか、ミンさんは話しを切り上げた。
結局その後バテてしまった俺のせいでその日の特訓はお預けになった。
フラフラだった俺を、リーチアが迎えに来て部屋まで肩を貸してくれた。
情けなくて泣けるけど、明日こそは頑張る!そして強くなってモテてゆくゆくはハーレムを!
鬼退治は始まりに過ぎない 紀谷 聡彦 @kiyasatohiko
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。鬼退治は始まりに過ぎないの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます