第10話 実技指導って、何故かエロスを感じる

「では、今日から七日間、僕が特別に考案した計画に基づき。君達には特訓に励んでもらう。勿論、毎日成果を確認し、目標に満たない者には罰を与える。気を引き締めて取り組む様に」


特訓するのか。まぁそりゃそうか。


いきなり鬼退治行って来いなんて放り出されても正直困るしな。


以外だったのは、なっちゃんが割と真剣な事。

もっと文句でも言うか、サボるかすると思ってた。


それにしても、昨日はとても有意義な一日であった。


風呂での一件もそうだが、その後も甲斐甲斐しく世話を焼いてくれたリーチア。

もはや俺の嫁と呼んでも過言では無いだろう。


「その緩みきった顔を晒していられるのも今のうちだ。過酷だからといって逃げださぬ様にな」


先程からやけに上から目線なこの人は、イチミング アーギュエル。この国の賢者様で、七日間俺達の監督兼コーチをしてくれる。


主にこの世界の事全般と、魔術について教えてくれるらしい。


そして、実技に関してはアンナさんが指導してくれる様だ。


「ミンはとにかく厳しいから、気を抜いていると怪我をするぞ。勿論、私も全力で指導してやるから覚悟しな」


アンナさんも相当気合が入っているようだ。


しかし、先程から俺が気になっているのは、イチミングといえば、確かマオさんの旦那ではなかったか……。


見た感じ、ミンさんは俺より小柄で華奢。

大分控え目ながら胸もある。


深緑のまん丸で少しタレた瞳は何だか気怠げで、髪はふんわりと、癖毛なのか少し毛先が外に跳ねているのが可愛らしい。


肌はマオさんよりも浅黒く、こちらも地黒だと思われる。


この国は小麦肌や褐色肌の人が比較的多い気がする。と言っても、城から出た事ないからなんとも言えんが。


しかし、ミンさんは見た感じロリっ子なんだが。ボクっ娘属性かと思いきや、まさかのオトコの娘⁉︎いや、でもささやかながら胸はある。これは予想外の百合展開!


だが、俺は百合に興味はないのだよ……


あくまでハーレム一択だ‼︎‼︎


これはもしや、二人揃って俺のハーレム入りもあり得るのでは!


「……いってぇ!」


妄想を膨らませていると、いきなり頭部に打撃を食らう。


めちゃくちゃ痛いんですけど……


「そろそろ始めたいんだがな。僕の貴重な時間をわざわざ君達に割いているんだ。無駄にしないでくれ」


表に感情が出ないタイプなのか、先程から無表情だが言葉は厳しめだ。


てか、今その杖で殴ったの?鈍器じゃん。


ドメスティックにバイオレンスなボクっ娘ロリ。


これはこれで有りだな。


だが杖で殴るのはやめて頂きたいマジで痛い頭割れるわ。



後に、この特訓の日々のお陰で、幾度と無く救われる日が来るのだが。この時の俺は知る由もなく、どれだけ危険な旅に出るのかも理解していなかった。

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