第5話 異世界+勇者=ハーレムは不滅の方程式!

なっちゃんがヒステリー起こしてるので、刺激しない為にも言われた通り部屋を出た。


逆らったら何をされるやら。


だが、これはチャンスだ!


異世界から召喚されし世界を救う勇者!

つまり俺!今人生最大の肩書きを手に入れ、世界に約束されたモテ期到来は必然!


俺を愛し愛される為、美少女達が今も何処かで待っている!俺の愛を!


俺は来るものを拒みはしない、だが!

来るのを待つなどナンセンスッ‼︎‼︎


俺は愛の狩人、俺は勇者だ!


フラグは立つのではない、立てるのだ!

ハーレムが出来上がるのを待つのではない、俺はハーレムを掴み取る!


手始めに、まずこの城で待つ未来のハニーをハントしに行く!


待っていろ俺のヒロイン!

俺の為のヒロイン達よ‼︎‼︎


はっ……!


俺は気付いてしまった……とんでもないミスを犯した事に…………。


俺とした事が!既にヒロイン候補が目の前に二人もいるではないか!

浮かれ過ぎて周りが見えていなかった……。


アンナさんは、俺のヒロインにしては些かその、身長の格差を感じざる負えない。

だがそれを踏まえて余りある程の美人で、やんちゃそうな笑顔が魅力的だ。


健康的な小麦色の肌に、意志の強そうな瞳は髪の色と揃いの紫がかったマゼンダ色。

姿勢が美しく、誇り高い騎士としての威厳を感じる。そして巨乳だ。


マオさんは、やや俺より身長が高いが、絶賛成長期な俺としては何ら問題はない。


垂れ目がちな瞳は夜の海の色。見詰めていると少し不安になる。肌は地黒っぽいな。

口元のホクロにエロスを感じるが、短く切り揃えられた髪と、彼女の表情が、セクシーさよりもキュートさを際立たせる。

自由な雰囲気を纏う彼女は、アンナさんより胸は控えめだ。


両手に華とはこの事を言う。


城を案内してくれている二人の後を付いて回って暫く経つが、正直一度の案内で、全てを把握出来るほど記憶力は良くないし、俺は方向音痴だ。せめて見取図とかくれた方が今後の為にはなる。


「城内はざっとこんなもんだ。広いし、迷うと厄介だから、必ず私と共に行動する様に。私がいない時はマオを頼ってくれ」


「了解です」


「私は面倒はごめんだ。子守ならメイドにさせてくれないか。ハルミには悪いが、私も暇ではないのでね」


「確かに。旅に出るまでの間くらいは、ゆっくりすると良い。では、何かあればメイドを呼ぶ様に。先程食事を運んだリーチアとロリーナを城にいる間勇者達の専属にしよう」


専属メイド……だと……。

これは何のご褒美だ。


「有り難き幸せ。感謝!」


「ははは!そんな畏まらずとも、気軽に頼ってくれ我等が勇者」


「私はそろそろ行っていいだろうか。旅立つ前に色々と済ませておきたい事がある」


「そうだな、ミンにもちゃんと話しておけよ。お前が勇者に同行する事、まだ知らない筈だ。急な決定だったから」


「……君から話しておいてくれ。私は忙しいし疲れている。イチミングに会う時間も労力もない」


「自分で話しておいた方が良いぞ。私だって、他人から聞かされるより本人の口から聞きたいしな。まぁノイヤなら真っ先に報告に来てくれる筈だが。とにかく、夫婦の問題だ。私は関わらんからな」


耳を疑う。だが、疑う余地もなくはっきりと聞こえた。


何てこった、まさかの人妻だったとは……口振りからしてアンナさんも既婚者っぽい。


ヒロイン候補二人がまさかの候補離脱。

人妻って……それはそれで有りな。

人妻という肩書きにエロスを感じる。


だが、俺は浮気とか反対派なので。

二人のことは諦める他ない。

NTR系とか見ててこっちがヘコむし。


しかし!俺には専属メイドが二人もいる!


これは何も期待しないバカは何処にもいないだろう。

メイドは勇者に惚れるものと相場は決まっている。歴史が物語っている!


ミンだかイチミングだかノイヤだか知らんが、どんなイケメンにしろ、俺に勇者の肩書きがある限り!例えヒロイン候補を二人程引き抜かれようとも!


誰にも負ける気がせんわ…………‼︎‼︎

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