第4話 私の方がギリ勝ってる!
頭が痛い。
寧ろ頭が痛過ぎるのはお兄ちゃんの方だ。
何故この場に馴染んでるの?
意味がわからない。
先程目が覚めたら隣に見知らぬ人間が寝てて超驚いたし、見たことない部屋に居るし、なのにお兄ちゃんは呑気にご飯食べてるし、軍人?みたいな感じの、とにかく超デカい女とやたら親しげだし。何メートルあるのあれ、2メートルくらいあるんじゃないの?超怖いんですけど。
そしたら、急に椅子に座れとか命令してくるし、威圧感半端無いし、マジ怖い。
結局一緒に寝てた人も起こされて、座らされて、機密情報?を話し始めた。
女王の騎士って何?ここ日本じゃないの?
全然頭が回らない、付いていけない。
お兄ちゃんは何故か楽しげに話を聞いてるしなんなの。
情報量が多過ぎて苦労した。落ち着くためにも、現状を理解しなきゃ。
話を纏めると、今私たちがいるのはバスタルーダって国で、私がここに居る原因は目の前に座ってるこのマオルジュって人のせいらしい。バスタルーダ国の危機を救う為に私とお兄ちゃんは連れて来られちゃって、このマオルジュさんと一緒に旅をしながら、私とお兄ちゃんのお供を回収しつつ、鬼退治をして、この国に戻ってきて欲しいらしい。
鬼退治ってなに?お供ってまさか犬、猿、雉とかじゃないよね?お猿って私苦手なんだよねー。とか、そうじゃなくて、鬼って何。まさか本物の鬼じゃないよね。鬼強いって感じのただの表現の一種で、超強い悪党とかそうゆう事だよね?向かうのは鬼ヶ島じゃないよね?
てか、私とお兄ちゃんじゃその辺の中学生にも勝てるか不安なんだけど、絶対人選ミスってるよね?私が倒せる敵なんて、死ぬ気になってやっとGを倒せるくらいだし。お兄ちゃんなんていっつもGが出たら速攻でトイレに隠れるくらい使えない奴だし。
話を聞き終わってから、私は頭を整理したいからと言って、みんなを部屋から追い出した。
私だって、ここが地球じゃないっぽいなーくらいはわかる。
だって、さっき窓の外を覗いたら、ここ中世のお城みたいだし、その辺にある建物もみんな大聖堂みたいな建物とか、世界遺産とか登録されてそうな建物ばっかだし、なにより、空を明らかに鳥じゃない何かが飛んでた。
「はぁ……どうなっちゃうんだろう私達」
お兄ちゃんは頼りにならない、私がしっかりしないと!
……でも、一緒に旅するメンバーがあの二人って、ちょっと無理あるよね。
マオルジュさんもなんか、そんな強そうに見えないし、背だって私とお兄ちゃんよりちょっと大きいくらいだし。
まぁ女の人ってのが唯一の良い点かな。
女同士の方が気が楽だし。
きっと、それなりに強いから選ばれたんだろうし。人当たりも良い感じで悪くないし。
……胸は私の方がギリ勝ってるし!
アンナさんはデカかったな……色々と。
後でちゃんと挨拶しなくちゃ。
さっきは頭パンパンでまともに口きけなかったし。
暫くは準備の為にここにいて良いらしい。
私もこの世界の事ちゃんと知っておかなきゃ。
知らないってのが一番怖いから。
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