おまけ 第0話「なぜか、一番最後にプロローグ」

「琴乃ー! 京ちゃーん! おやつだよ!」


「はーい!」


「やったー!」


「「きょうはなに?」」


「ん? 二人の好きなドーナツだよ」


「「わーい!」」


「きょーちゃん、どーなつすきだよねー」


「ことのもだろ」


「わたしのはんぶんあげる」


「いいの?」


「うん!」


「じゃあさ、おれのもはんぶんやるよ」


「やさしいね、きょーちゃんは!」


 ばかだよな、ことのは。


 けっきょくいっしょじゃんか!


 だからおれは、はんぶんにしたおおきいほうをことのにやった。



「ことのねー、おっきくなったらねー、きょーちゃんのおよめさんになるんだよぉ」


「ふふ、琴乃と京ちゃんならいい夫婦になりそうだよね」


「あやたん! なにいってんだよー!」


「あら、京ちゃんは琴乃のこと好きじゃないの?」


「そ、そんなこと……ないけど……」


「あー、でもきょーちゃんはママのこともすきだからな……きょーちゃんは、ことのとママのどっちをおよめさんにするの?」


「あやたんは、ことののパパとけっこんしてんだろ」


「そっかー。じゃあ、きょーちゃんはわたしとけっこんするんだね」


「なんで、そーなるんだよ! 」


 ことののしつもんって、なんかいつも こたえ にくいんだよなー。


 でも、おれは、そんなことののことがだいすきだった。



 そして時は過ぎ、俺たちは高校生になった。


 より答えにくくなった質問を琴乃はたずさえて――

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幼なじみの考えていることが、最近ぜんぜんわかんねぇ! 中山道れおん @ponkotsu-iccyo-heyomachi

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