第24話 「おっぱいの大きさ」編 ③
「お兄ちゃんはまことのを選ぶよね?」
まことが俺の右腕にしがみついてきて、胸を押し当ててくる。
「まことちゃんには悪いけど、京ちゃんはもう何年ものあいだ、わたしのおっぱいをチラ見してきたからね。わたしの以外は興味ないと思うよ。そうだよね、京ちゃん?」
一方琴乃は俺の正面で前屈みになり、自分のティーシャツの襟元を指でつまんで広げている。
胸の谷間がちらちらと視界にはいってくる。
くそ、まことの
なに、これ! 思いつきで言ってみたけど、二つ名みたいでかっけぇ!
よし、今度からこいつらのことは影でそう呼ぶことにしよう。
それはさておき、どちらかなんて選べるわけないだろ!
というか、なぜこんなことになっているんだ?
だいたい俺が大きいのと小さいのをどっちかを選んだところで、この二人に一体なんのメリットがあるというんだ?
まったくもってよくわからん。
やはり
長ぇよ! 漢字一文字でこれは無理あるだろ! もうやめよう……
俺がこんなにも悩んでいるというのに(少し遊んではいたが)、当の二人は早く決めろとばかりに攻撃の手をゆるめようとはしなかった。
「お兄ちゃん、去年まことと一緒にお風呂にはいったときのことを思い出してみて。あのときからすこしは大きくなったんだよ。ブ、ブラジャーはまだだけど」
とまことが俺の左の耳元で言えば、右耳に琴乃は口をよせて、
「京ちゃんが想像している以上に大きいと思うよ。あとね、まことちゃんと公平な勝負をするためにね、実はさっきブラはずしたんだよ」
とささやいてくる。
と、ということは琴乃はいまノーブラ?
その疑問が頭に浮かぶよりも先に、すでに俺の目は琴乃の胸をとらえていた。
理性は本能より劣るというのか?
それはまずい!
俺が答えるまでこの状況が続くとしたら、間違いなく理性が崩壊する自信がある.。
なぜなら二人のこの甘いささやきによって、俺の体にはある異変が起こりつつあるからだ。
琴乃とまことの吐息が耳にふれるたびに、体のある部分が少しずつ熱を帯びてきている。
これ以上続けられたら、で、出てしまう!
やばい! だんだんと頭の中が真っ白になってきた!
やめさせないと! いますぐにやめさせないと!
二人を制止しようと体をわずかに動かす。
だがどうやらそれが引き金になってしまったようで、その瞬間、俺は我慢できずに熱くなった体の一部から液体を勢いよく放出してしまった……
熱を帯びた鼻から……血という名の液体を……
「きょ、京ちゃん大丈夫? まことちゃんティッシュ持ってきて」
「う、うん」
やはり一日に二度も鼻をぶつけて平気なはずがなかったみたいだ。
でもまさか時間差でくるとはな。
天井を見つめながらそんなことを考えていると、徐々に頭がぼんやりとしてきた。
まことの足音が聞こえる。ティッシュを持ってきてくれたのかな?
なんだか意識が遠のいていく感じがする。
焦っているまことに琴乃が冷静になにか指示をだしている会話が遠くのほうで聞こえる。
おかしいな……なんか……意識が……遠のいて……い……く――――――――
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