第7話
おいババァ金払えや!!!!!
おばは颯爽と去っていった。
ボーイも僕も突然の出来事に一瞬言葉を失った。
チャンス到来、一千一隅の到来である。
もちろん選択コマンドは、「逃げる」しかないのであるが、ある一点だけ引っ掛かる事があったのだ。
それは、儀式「お会計」である。
おばは、儀式の時間になりいなくなった、、
まさかおばが逃げていくという新イベントが発生したのではいか、もしそうであれば確実におばからババアに格下げである。
ボーイの顔にも6000円と書いてある、この状況、儀式の出席者は僕しかいない。
いや、6000円で性獣ババアから逃れられるのであれば安い料金かもしれない、しかし、このような考え方もあるのだ。
おねぇさんと呼ばされ、泊まりたいと脅され、何を考えているのかわからないが故に味わった恐怖の時間に6000円も払うべきなのか
払いたくないという考えも拭いきれない、、
しかし夏目漱石カードを6枚使わなければ儀式は永遠に終わらないわけである。
同盟国のボーイもやはり国益を考えなければならない、少しずつじわじわと儀式を進めてくる
ボーイ「どうしますか?」
どうしたら良いのか教えて欲しいのはこちらの方である。
俺「おばさん、逃げたんですかね、、」
ボーイ「いや~、話し方も上品だし見た目もきちんとしてるし、会話もまともにできたし、悪い人ではないと思うんですよね。」
そう、「悪い人ではない」このキーワードが、僕の良心の呵責を揺さぶるのだ。
悪い人だったら、まだ楽だ、ただつけ離すだけで良い。
ただ、悪い人ではないのだ、僕を性の対象に見ることも自由恋愛の観点から見れば彼女にとって普通の事であり、逆セクハラとして僕のテンションが下がっただけでまだ実害はない訳である。
そしてボーイの一言で、ストーリーは再び動き出す。
ボーイ「あの、今日、食事しました?」
俺「いや、まだです」
ボーイ「せっかく青森に来たんだから地場産の旨いもの食べてってください!一人でも入れる美味しいとこ紹介しますんで」
俺「ほう、興味深いですね」
ボーイ「で、こうしませんか?おばが戻ってきたら口裏を合わせましょう、お兄さんは、一緒に来た職場の上司や同僚に呼ばれたって事にして下さい。で、おばとお兄さんと僕で一緒に出て、おばを駐車場へ案内したあと、居酒屋に連れていきます。」
なかなか出来るやつである。
なるほど、頭の回転が素晴らしい、善は急げとりあえず儀式を終わらせよう、もしおばが戻ってきたら返してもらえば良い、夏目カード6枚使って儀式を済ませた。
まぁ、もしかしたら辛いことや言えないような事があって火遊びをしたかったのかもしれない。
そこにおばがもどってきた
おば「なんか、大丈夫だった!朝まで置けるって言われちゃった!」
お会計の儀をボイコットしただけではなく、したたかに嘘か真かわからなぬ駐車場
の係員にちゃっかり朝まで車を置いても大丈夫かどうかの確認をしていたのだ。
ここで重要なのは「朝まで」というキーワードである、時間は間もなく午前1時を
迎えようとしている訳であるから、時間を逆算すると
ここからホテルまでは徒歩10分
部屋に入ってからの雰囲気づくりに30分
シャワーを浴びる時間二人合わせて30分
そこからのベッドイン、儀式の開始。
軽く見積もってもプレイボールは午前2時、そこからおばの
車を置ける時間のタイムリミットを朝7時までと仮定した場合
5時間というハッピータイムがあることとなる、いやハッピータイム
ではないデスタイム!まさに青森の地獄とはこのことかもしれない。
しかし、そうは問屋が卸さないのである、おばのこざかしい小細工タイムの
さなかコチラも同盟国と共に戦略は完成している。
俺「そうなんですね、いってる間に会計済ませてきました!」
おば「え、いいの?」
俺「はい?」
おば「ラッキー!やったーありがとう~」
もういい、何も言わない。これで全てが終わったのだ。
おば「次どうしようか?」
来た、もう言葉は予測済である。さぁ引導を渡して進ぜよう
俺「いや~すいません、、行きたいんですけど会社の人達がまだ飲んでて呼ばれちゃって、、」
おば「、、えっ?そうなの?」
ボーイ「とりあえず、一回でましょうか」
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます